院内報
こあら通信 第95号 2006 March
目次
・病気の原因
・予防接種Q&A
・ヨコピ-の子育て知恵袋
・おすすめの絵本
・お知らせ
病気の原因
梅の花も咲き始め、春の気配を少し感じるようになってきました。トリノの冬季オリンピックも終わりに近づいていますが、国民の期待の大きさに日本の選手たちが押しつぶされそうで可哀想な気もします。報道のあり方は今のままでよいのかな、と心配にもなりました。
毎年インフルエンザが流行する時期になると、インフルエンザを心配して受診する発熱の患者さんが多くなります。「インフルエンザはカゼじゃない」という誇張されたキャンペーンのおかげで、必要以上に合併症や抗インフルエンザ薬のことが報道されていることも理由の一つかと思います。
迅速検査が陰性だと、「よかった!それではふつうのカゼですね。」とよく言われます。しかし、ほんとうによかったのでしょうか。「ふつうのカゼ」という病気はありませんし、どちらにしても安静にしていれば自然に治る病気であることにかわりはありません。インフルエンザに対する間違った思い込みが、世の中を狂わせているようでしかたありません。
考えてみると、世の中に起こることにはすべて原因があるという考えに、私たちは毒されているのではないでしょうか。確かに病気の原因がどんどんわかるようになり、難しい病気も治るようになってきました。昔はカゼとしか言いようのなかった病気の中から、新しい検査によって病名がきちんと付き、その後の様子も予測できるようになったものもたくさんあります。しかし、それにも限界があります。受診する患者さんの熱の原因がすべてわかるわけではないのです。
病気の原因を考えることは大切ですが、わからないことをいつまでも考えているわけにはいきません。子どもが元気かどうか、もう少し様子を見ていてもだいじょうぶかどうか、という大局的な判断ができることがほんとうはいちばん大切なのです。病気にばかり目を奪われずを、「子ども」をもっとしっかりみてほしいと願っています。
予防接種Q&A
麻しん・風しん混合ワクチン(MRワクチン)に関するご質問が多くなっています。Q&A形式でまとめてみましたので参考にしてください。
Q 2才を過ぎましたが麻疹・風疹とも接種していません。MRワクチンは無料で接種できますか?
A できません。それぞれのワクチンをできるだけ早く接種してください。
Q 来年小学校入学ですが麻疹・風疹とも接種していません。MRワクチンは無料で接種できますか?
A 来年(平成19年)小学校入学のかたは4月1日からの1年間、MRワクチンを無料で接種できます。
Q 麻疹・風疹のどちらか一方しか接種していない場合、MRワクチンの無料接種は受けられますか?
A 受けられません。接種していないもう一方のワクチン接種について、各市町村毎に救済のための経過処置が出る予定ですが、まずは3月中に接種を済ませるようにしてください。
Q 既に麻しん・風しんの接種を済ませていますが、小学校入学前にもう一度接種を受けるのですか?
A 公費による接種はありません。しかし、免疫を持続するために2回接種が必要と考えられています。自費になりますが、接種を考えてみてください。当院でも接種を行います。
Q 1才前に接種を希望する場合は麻疹単独のワクチンを受けるべきですか?MRワクチンを受けるべきですか?
A 麻しんの予防接種率が上がったこともあり最近は患者の数が激減してきています。1才になったらすぐにMRワクチンを接種すればよいでしょう。
Q 有料で受ける場合、麻疹・風疹単独ワクチンの接種は可能ですか?
A しばらくは可能です。当院でも接種しますのでご相談ください。
ヨコピ-の子育て知恵袋
<赤ちゃんのよだれ>
「よだれ」というのは、自然に口の外へ流れ出た唾液を言うわけですが、赤ちゃんがしきりとよだれを流すようになるのは、乳歯が生え始める7ヶ月前後とされています。唾液の分泌量については一般的に、出生直後は少なく、そのために、年長児や成人に比べると、口の中は比較的乾いた状態にありますが、5ヶ月頃から分泌量が増えて、生後1年以内に、1日の分泌量は100~150ミリリットルに達するということです。大人は1日に 1~1.5リットルもの大量の唾液を分泌しますが、よだれを流すことはめったにありません。これは、われわれが無意識に唾液を飲み込んでいるということによるものです。ところが生後7ヶ月前後の赤ちゃんは、唾液の分泌量が増加してきているのに、これを飲み込むという動作が未発達であるために、よだれを出すことが多いと考えられます。赤ちゃんは、ある時期は生理的によだれを流すもので、その量が多少多くても、心配はありませんが、ある日突然、よだれの量が急増してきたというような場合には、口内炎、扁桃炎、鼻づまりのような原因を考えてみる必要があります。
おすすめの絵本(紹介:おはなしたんぽぽ)
かさじぞう
瀬田貞二 再話 赤羽末吉 画
福音館書店
昔あるところに、貧乏なじいさんとばあさんがあったと。ある年の大晦日、自分でこしらえた編み笠を五つ持って町へ売りにいったが、笠は一つも売れなかっ た。仕方なく家に帰る途中、野原に吹雪にさらされている六人の地蔵様が並んでいた。じいさんは、寒そうにしている地蔵様達に売れ残った笠をかぶせて家に 帰った。笠が売れなかったので、二人はすっぽり飯を食べて寝たところ、正月の朝、「よういさ、よういさ、よういさな。」というかけ声が聞こえてきた。それは六地蔵様がじい様達に数えきれないほどの宝物を運んできた声だった。それから二人は幸せになったとさ。
お知らせ
1.アレルギー外来担当交代のお知らせ
アレルギー外来を担当していた安戸先生が4月から焼津の病院に転勤されることになりました。それに伴い、4月からのアレルギー外来は新しい先生が担当することになりました。決まり次第、ホームページでお知らせします。
2.麻しん・風しん混合ワクチン接種について
4月1日から新しい麻しん・風しん混合ワクチンの公費での接種が認められます。2月・3月が誕生日で接種をお待ち頂いていたかたのために4月1日(土)午後2時から3時の間に予防接種を行います。予約はWeb予約Stationまたは受付まで。