院内報
こあら通信 第82号 2005 February
目次
・教育の大切さ
・ヨコピ-のQ救箱
・ホームケア
・おすすめの絵本
・お知らせ
教育の大切さ
寒い日が続くようになり、例年より遅れてインフルエンザの流行が始まっています。病気になると健康のありがたさがわかるものですが、そうならないよう、注意しながら生活してください。
昨年10月から小田原市の教育委員になりました。医療の関係者で子どもに関心のあるもの、ということで選ばれたのだと思っています。子どもの健全な発育という視点から、以前から教育に対しても関心を持っていましたが、教育委員として仕事をしてみると、教育の大切さをより身近に感じるようになりました。
教育の基本はもちろん家庭です。家族との生活の中で基本的な生活習慣を身に付けたり、生活の知恵を覚えたりすることはとても大切です。しかし、6歳頃になって社会への関心が強くなる時期に、学校という場で勉強することがどうしても必要になります。9歳にもなれば世の中の常識というものに目覚め、誰でも知識を得ようとする時期なので、じょうずに勉強させるのが教育の役目なのです。
そして教育には先生が必要です。保護者の方々は学校の先生を尊敬しているでしょうか。確かに若い先生もいるでしょうし、教える力が十分でない先生もいるでしょう。しかし、子どもたちにとっては大事な先生です。親が先生をないがしろにすると、その態度は子どもたちにも伝わります。子どもたちが先生を尊敬できないような教室で、効果的な教育ができるでしょうか。
先生の力が落ちたと言われますが、その責任の一端は保護者のあり方にもあるようです。先生が自信と誇りを持って働けるような環境に戻らないと良い教育は実現しません。私たち一人ひとりが考えてみなくてはならない問題なのだと思います。
「国を滅ぼすのに武器はいらない。教育をダメにすれば国は50年で滅びる」という言葉は、今まさに私たち日本人に向けられているかのように聞こえます。
ヨコピ-のQ救箱
Q. アレルギーってなあに?
A. 体の中に細菌やウィルスのような異物が侵入すると、それを退治しようとする働きをするよね。それを免疫というけど、逆に害を及ぼすほど体が異物に対して過剰に反応してしまうのがアレルギーなんだよ。その症状は皮膚炎や呼吸器系の気管支ぜん息などさまざまなんだよ。アレルギーを引き起こす物質(アレルゲン)は。ハウスダストやダニ、牛乳・鶏卵・薬剤・動物の毛、食品添加物など無数にあるんだよ。アレルギーは原因が複雑で、治療にも長い年月がかかる反面、成長とともに症状が和らぐケースも少なくないから赤ちゃん(お子様)と根気よく治していこうね。困ったことがあったら相談してみてね。
ホームケア-アトピー性皮膚炎
今回からシリーズで何回かにわけてアトピー性皮膚炎についてお話したいと思います。今回はアトピー性皮膚炎の症状についてです。
感性的に繰り返すかゆみの強い湿疹で、アトピー素因を持った人に環境因子が複雑に加わって発症すると言われていますが、発症のメカニズムはまだよくわかっていません。乾燥や摩擦による皮膚のバリア機能の低下が一つの原因になっています。両親や家族にアレルギー体質の人がいると子どもにも出やすいようです。
乳児期のアトピー性皮膚炎の特徴は、
・生後すぐ症状が出ることはまれで、2-3ヶ月頃から赤い発疹が出始め、おでこや目の回り、顔、耳たぶの付け根 など顔を中心に赤く湿った湿疹が見られます。背中やお腹、手足、また、わきの下にも見られることがあります。
・症状が重くなると、ふけが出たり、ジュクジュクしたかさぶたが出てきま す。
・湿疹が体のほぼ左右対称の位置に出て、症状が2ヶ月以上続きます。
・1才を過ぎると、湿疹の部分が次第に黒っぽくなり、乾燥してカサカサになることが多く、皮膚が厚くなって触るとざらざらした感じになります。できやすい部位も首の回りや肘や膝の内側などに移っていきます。耳たぶの下が切れる、耳の後ろがジュクジュクする耳切れの症状が出ます。
アレルギーを起こす物質はさまざまあり、また皮膚の細菌(ブドウ球菌)が症状の増悪因子となっています。赤ちゃんは強いかゆみのために、体や顔を布団などにこすりつけたり、手でひっかいたりします。爪は短く切っておきましょう。次回は治療とホームケアについてお話します。
おすすめの絵本(紹介:おはなしたんぽぽ)
ちいさいしょうぼうじどうしゃ
ロイス・レンスキー 文、絵
わたなべ しげお 訳
福音館書店
かん かん かん。うーうーうー。スモールさんが消防自動車に乗って出動です。
お話は、スピードと緊張感にあふれ、赤と黒の2色で描かれた絵は、すっきりとしています。見開きいっぱいに描かれた消防自動車には、ひとつひとつに説明が加えられていて、知識の本としても優れています。乗り物好きの子にはたまらない絵本です。
お知らせ
1. BCG予防接種が変わります
平成17年4月1日から、法律の改正により、無料で接種できる年齢が生後満6か月未満に変更になります。また、BCG接種のみとなり、ツベルクリン反応検査はなくなります。満6ヶ月の前日までに接種するようにしましょう。(ただし、すでに生後満6か月以上のお子さんは平成17年3月31日までは、満4歳の誕生日の前日まで無料で接種できます。)予約は、直接または電話で受付まで(34-0666)!