横田小児科医院

院内報

こあら通信 第79号 2004 November

目次

・メディア・リテラシー
・ヨコピ-のQ救箱
・ホームケア
・おすすめの絵本
・インターネット予約を活用してください

メディア・リテラシー

 新潟中越地震で大きな災害が起きています。先日の台風といい、自然の力の大きさに恐れを感じるこの頃ですが、被災地の方々が一日も早くもとの生活に戻れるよう祈らずにはいられません。

 今月は、夏に開催された日本小児科医会の研修会でNHK放送文化研究所専門委員の清川輝基さんのお話を聞く機会がありましたので、少し紹介してみようと思います。

 この中で驚いたことは、現代の小中高校生の1日のメディア接触時間は約6時間という数字が出ているということです。これは、年間の総授業時間数の約2倍にあたるそうです。また、いつも平面ばかり見ていることにより、立体的にものを見る視力が大きく落ちていて、小さなものにもつまずいて転びやすい要因になっています。また、メディアの影響で外遊びが減り、体力が低下しています。特に背筋力の低下が著しく、中学生男子の平均は介護に必要な親を抱き上げる力にも満たない、女子では安定して子どもを抱っこする力にも満たないという結果が出ています。

 メディアへの接触時間が増えて本を読まなくなり、日本の子どもが読む本の数は世界でも最低に近くなっています。また、ビデオなどの普及で赤ちゃんのうちからメディア漬けになっている影響で、友達関係が持てない、表情が乏しい、見立て遊びができない、自分から話しかけようとしない、視線が合わないなどの行動の特徴が多く見られるようになったことが報告されています。

 メディア・リテラシーというのは、「メディアをコントロールする力」という意味で、メディアから離れて時間を自己管理できることを指しています。つけっぱなしのメディアに自分の時間を奪われるのではなく、自分自身で必要なだけのメディアを利用していく能力のことです。世の中が便利になって、一見余裕が出てきたように見えていながら、実は私たち現代人は大切なものを奪われているのではないでしょうか。

 「人生にとって大切なもの」・・これをもう一度見つめ直し、メディアとのつきあい方も考えていかなくてはならないと思いました。

ヨコピ-のQ救箱

Q. 鼻水・くしゃみが出るのはなぜ?

A. 鼻の粘膜には、鼻水を出す腺があるんだよ。粘膜にホコリや花粉・バイ菌などがくっつくと刺激され、追い払おうとするんだ。これが「くしゃみ」ハックションと追い出しちゃうんだよ。鼻の粘膜についたバイ菌を洗い流すのが「ハナミズ」。この鼻水にくしゃみも応援して、バイ菌を必死で追い出す。カゼのはじめに「みずっぱな」がたくさん出るのは、このためなんだ。鼻水が長く続いていたり、鼻づまりで苦しかったりした時は受診しようね。手を洗ったり、うがいをしたりして、病気から体を守ることも大事だよ。外から帰ったら、家族みんなでやってみよう。

ホームケア-喉頭炎

《症状》
かぜをひいたときに、のどの奥(声を出すところ)あたりが腫れて、オットセイのような咳(犬がほえるような咳)が出ます。声がかすれたり、出なくなったり、のどの腫れがもっとひどくなると呼吸困難をおこします。特に息を吸うときに苦しくなります。

《原因》
かぜ症状を起こすウィルスの感染でおこります。特にパラインフルエンザが多く、RSウィルス、インフルエンザウィルスによってもおこります。

《治療》
血管収縮剤やステロイド剤の吸入や内服薬も処方します。息苦しいときには入院の必要性があります。

《家庭で気をつけること》
1.室内の加湿ー湯気を立てる。加湿器を使う。洗濯物を干すなど空気の乾燥を防ぎます。
2.水分の補給ー咳込むときは温かい飲み物を飲ませましょう。
3.食べ物ー息苦しさがなくなったら、本人の好きなものを。
4.入浴ー息苦しいときや高い熱のとき以外はかまいません。

《こんな時はもう一度受診を》
・息苦しそうになった時や強い咳で眠れない時
・水分があまりとれない時
・熱が高いとき

おすすめの絵本(紹介:おはなしたんぽぽ)
「ピエールとライオン」

モーリス・センダック さく じんぐうてるお やく

 おとこのこがひとり。なまえはピエール。このこがいうのはただひとつ。「ぼく、しらない!」

 どうぞみなさんおよみなさい。きちんとよめばおしまいにためになることかいてある。と、いう「はじまりのうた」で始まる愉快なおはなし。ピエールが「ぼく、しらない!」と、繰り返す度に子ども達は歓声をあげて大喜び。

 センダックの絵がおはなしをより豊かに描いている。

インターネット予約を活用してください

 秋も深まり、医院の方も大分混雑してきました。診察の予約は、話し中になることもなく、間違え電話の心配もない、インターネット予約をご利用ください。電話予約カードをお持ちで、携帯・パソコンでインターネットを使える方はご利用いただけます。登録は http://web489.jp/~yokota/wys/ にアクセスして案内に従ってください。家族登録もでき一度に複数の予約をとることができますので、ご利用ください。すでに家族の方を1名ずつ登録されてしまった方は yoyaku@ycc.or.jp にメールを入れていただくか受付に申し出てください。登録を変更いたします。

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