院内報
こあら通信 第77号 2004 September
目次
・学会って何だろう
・ホームケア-
・日本外来小児科学会に参加して (その1)
・おすすめの絵本
・インフルエンザ予防接種のお知らせ
学会って何だろう
秋の気配を感じるようになりましたが、今年もお盆過ぎにスタッフと一緒に日本外来小児科学会の年次集会に参加してきました。毎年この時期になると休診が続くので、今年も学会かな・・と思ってくださる方もあるでしょうか。私は他にもいろいろな小児科関係の学会に入っていますが、この学会への思い込みは特別です。
学会というと、じっと座って難しいお話を聞くというスタイルを思い浮かべますが、日本外来小児科学会は一味違っています。もちろん聞くというスタイルの勉強もありますがワークショップといって討論形式の勉強が必ず盛り込まれています。事前に参加登録して、皆で準備をしてから討論を進め、何らかのプロダクトを作り上げるというものです。
互いに話し合うと、そこにはいろいろなヒントが見つかります。自分では当たり前のことが、他の人にはとても新鮮だということもよくあるのです。横田小児科医院でも、この学会に参加したために改善されたことが少なくありません。学会のモットーは「ノートをとって帰るのではなく、参加したすべての人が何かを発信して帰る」ことです。
またこの学会には医師だけではなく、看護師や事務職員などさまざまな職種の人が参加しています。自分とは違う職種の人の意見を聞くことも、実はとても役に立ちます。新しい発見は、違った立場の発想から生まれることが多いからです。
また、学会に参加するといろいろな人と出会うことができ、新しい友達ができます。毎年学会に参加することはほんとうに楽しみです。夜の懇親会もいつも大いに盛り上がっています。
そんな学会なので毎年参加者は増え、学会を運営することもたいへんな労力を必要とするようになりました。裏方になって学会を支えてくださった方々に感謝しつつ、この学会で得たものを診療に生かしていきたいと思っています。
手足のけが
1. ねんざ
<ねんざとは?>
関節の動く範囲を越えて動かした時に靭帯や関節を包む関節包に起こる損傷です。足の関節が代表的です。
<症状>
患部が腫れて、押すと痛みます。内出血があると紫色に腫れます。高い所から飛び降りたり、すべったり、転んだりして起こることがあります。
<治療>
患部を氷(保冷剤や冷たいタオルでもよい)で冷やし、包帯で圧迫して、腫れやむくみを予防します。同時に患部を心臓より高い位置に上げてうっ血を防ぎ、安静を保ちます。
※軽いねんざと思っても、自己療法をして再発しやすくなることもあるので、早めに受診しましょう。また子どもの骨折は見落としやすいので注意が必要です。
2. つき指
<つき指とは?>
指の関節は靭帯でつながり腱で動きます。この腱や靭帯が、強い力が加わって伸ばされたり切れたりするため、あるいは指の骨が骨折するために、指が腫れて痛み、動かせなくなることをいいます。
<治療>
軽いつき指なら、冷やして、動かさないように安静にしておけば自然に治ります。指が曲がったり、指が動かないようなときは、変形が残ることもあるので、すぐに整形外科を受診しましょう。
日本外来小児科学会に参加して (その1)
8月21日、22日の2日間、大分市内で開かれた「第14回日本外来小児科学会年次集会」に医院のスタッフが参加してきました。参加したワークショップの概要についてご紹介します。
●「PHDをサポートする電子カルテ」と「休日の予防接種をはじめませんか 」に参加しました。前者は患者側の立場で電子カルテをどのように利用できるかという事を話し合いました。先月から電子カルテに変わった当院にとって参考になりました。後者は、今年3月の予防接種週間での経験をふまえて摂取率の向上に休日の接種が有効かという点について話し合いました。(吉田)
●今回私は3つのWSに参加しました。「こだわりの診察室」では各院の雰囲気作り、診察の工夫等が、参考になりました。「待合室のアメニティー」では、子供用のインターネット、おしゃべりキティーちゃん、現代アート作品を置いている医院もありました。「子どもとメディア」はテレビと上手につきあっていこうという話し合いでした。今回、皆さんにアンケートにご協力頂きました。ありがとうございました。(長谷)
●「禁煙支援は子育て支援」、「クリニックスタッフによる危機管理」、「あまえ療法」の3つのWSに参加しました。これらのワークショップに参加することによって他の医院のスタッフの方と意見交換できるということも大変有意義なことで参考になりました。(伊藤)
おすすめの絵本(紹介:おはなしたんぽぽ)
3人のちいさな人魚
デニス・トレとアレイン・トレ ぶんとえ
麻生九美 やく
(評論社)
ふかいふかい海のそこにコーラ、フローラ、ベラの三人の人魚が住んでいました。三人は人魚なのにひどい声の持ち主・・・、その声で船を難破させてしまいます。そして、船にのっていた女の子を助け出し・・・。 この絵本ははしゃいで自由にあそびまわりたい子どもの心を、のびのびしたチャーミングな絵が、想像の世界で好きなだけおよがせてくれます。
読み終えた後、自分も海の中で遊んだような満足感が広がります。
インフルエンザ予防接種のお知らせ
今年もまたインフルエンザの季節が近づいてきました。予防接種の予約を希望される方は、9月2日(木)以後、受付に直接、あるいは電話(0465-34-0666)にてお申し込みください。また、今年からはインターネットにて予約をとることもできます。。詳しくはホームページをご覧ください。
《接種方法》
13才未満は2回、13才以上は1回です。1回目と2回目の間隔は1-4週間 (3-4週間がお勧め)あけて接種します。
《接種対象者》
●喘息などの持病があって、インフルエンザにかかると重症になることが予想され る方
●受験などがあって長く休みたくない方
●集団生活(託児所、幼稚園、保育園など)に入っている乳幼児
ただし、6ヶ月未満の方は免疫がつきにくいので接種しないことを原則とします。(注意-強い卵アレルギーのある方は接種できません。)