院内報
こあら通信 第41号 2001 September
目次
・子どもにつらく当たってしまうとき
・ホームケアアドバイス
・ヨコピーの救急箱
・おすすめの絵本(紹介:おはなしたんぽぽ)
子どもにつらく当たってしまうとき
9月といってもまだ暑い日が続いています。学校や幼稚園も始まりますが、休みの疲れが取れずに体調をくずしやすい季節でもあります。じょうずに集団生活に戻れるよう配慮してあげましょう。
最近、子どもに対する虐待の話題が毎日のように報道されています。自分の親以外には頼れるもののない子どもにとっては本当に悲惨な事態です。近所や職場で「子どもが虐待されているのでは?」と思われることがあったら、児童相談所(保護を必要とする子どもの問題を扱う専門機関)へ相談してください。子どもの安全や健康は、親と子どものことがらであるだけでなく、社会全体の関心事でもあるからです。子どもの命や体が危うくされているときには、私たちは、これをその親子の個人的なことがらとして見過ごしてはならないのです。
考えてみると、子どもに対する虐待は一般的な親にとっても別世界のこととは言い切れないようにみえます。自分に気持ちの余裕がないときに、子どもにつらく当たってしまうことは、それほど珍しいことではないでしょう。大きくなった娘に、「私たちが泣きやまないときに、パパがとっても怖い顔をしていたのを今でも覚えている」と最近言われて、私もハッとしました。親にとってはいらいらするような子どもの行動も、子どもにとってはきちんと意味があることが多いものです。
子どもをよく知ること、子どもを一人の人間として認めることの大切さを、もう一度考えてみなくてはなりません。
気管支喘息
喘息の季節到来です。秋風が吹いて季節の変わり目になると、喘息発作を起こす子どもが増えてきます。台風などによる気圧の変化や、急激な気温の低下がきっかけになることがよくあります。室温の調節や空気の乾燥に注意すると同時に、発作が起こったときの対処を前もって考えておきましょう。
1.発作の程度と判断の目安
ただし、判断に迷うようなら早めに受診しましょう。
2.発作時の対処方法
(1)気持ちを落ち着かせる。
笑顔で「大丈夫よ」と背中をさすってあげましょう。
(2)水分を十分に与えること。
水分を取ると痰がやわらかく、出やすくなります。コップ1-2杯を少しづつ何度もくり返し飲みましょう。
(3)楽な体位で腹式呼吸をする。
横になるより、座っていたほうが楽な場合が多いです。衣服を緩め、口をすぼめて充分に息を吐くことが大切です。
(4)咳を促して痰を出すこと。
背中を下から上にポンポン叩いて、できるだけ痰を出しましょう。*乳幼児は痰を吐き出さずに飲み込んでいますが咳が出ていれば、気管支から痰が排出されています。安心してください。
(5)気分転換が効果的なことも。
例えば、外気を吸ったり、家周辺の散歩、ドライブ、本を読んだり音楽を聞かせたり、子どもの注意を他に向けることが役立ちます。
(6)常備薬(内服・吸入)を使用。
繰り返し発作を起こす場合には、発作の治療薬を手元に用意しておきましょう。
発作が起こって慌てるのではなく、どのように薬を使うか、どのようなときに受診するかを勉強しておいてください。
ヨコピ-のQ救急箱
Q.夏バテの対処法を教えて!
A. 残暑が終わるころになると、暑さによる体力消耗、エアコンの冷風の浴びすぎ、不規則な生活や乱れた食生活など、夏のツケが疲労感や食欲不振、ちょっとした体調不良として現れることもあるんだ。この時期は、気持ちも乱れやすく、ストレスが体調に影響することもあるから、規則正しい生活に戻れるように、できるだけ就寝時間と起床時間を守らせて、適切な運動を心がけ、十分な栄養が取れるように気をつけてあげて!
日中は暑くても朝夕の気温がグンと下がるようになるから、衣類はすぐに脱げるものをはおらせたり、一枚余分に持って出かけるようにするなどして体温を調節できるようにしてね。
おすすめの絵本(紹介:おはなしたんぽぽ)
「ティッチ」
パット・ハッチス さく・え いしいももこ やく 福音館書店 1100円
ティッチは3人きょうだいの末っ子です。お兄さん、お姉さんが持っているものに比べてティッチのはいつも一番貧弱です。2人は持ち物を見せびらかしてティッチをみそっかす扱いにしようとしますが、ティッチは負けていません。自分の小さなものを使って一生懸命がんばります。とうとう最後には・・・・・・・。
単純明快なテキストで、幼い子どもがよく経験する事がらを希望に満ちた成り行きで終わらせていて、作者の愛情が感じられます。友だちや兄弟との関係がわかり始め、自分と他との比較に気づくようになった子によくわかっておもしろい本です。