院内報

こあら通信　第320号 December 2024

目次

流行感染症いろいろ

流行感染症いろいろ

今年は溶連菌、手足口病、マイコプラズマ感染症と複数の感染症の流行が相次ぎました。全国のマイコプラズマ肺炎の患者数は統計が始まって以来過去最多になったと報告されています。はっきりとした原因はわかっていませんが、コロナ禍で様々な感染症が減ったことで人々の免疫力が低下したことや、行動制限がなくなり人同士の接触機会が増えたこと、また日本と海外を行き来する人達が増えたことなどが要因ではないかと考えられています。実際にマイコプラズマは日本に先立ち昨年から海外の各国で流行が認められていました。最近は長引く咳を引き起こす感染症の一つ、百日咳も近隣国で流行が見られており、国内でも一部の地域で報告が増えています。今後の流行が懸念されます。
新型コロナの報告数は少ないながらも横ばいで推移しており減少傾向とは言い難い状況です。インフルエンザの報告数はまだ多くはありませんが１１月末から流行の兆しがみられています。
流行がない感染症も今後海外から持ち込まれて流行する可能性があります。ワクチンがある感染症は接種時期がきたら忘れずに接種するようにしましょう。またワクチンのない感染症は手洗いやマスクなどの感染対策の徹底しか予防手段はありません。けれども集団保育や学校に通っている子どもたちには完全な感染対策は難しいのが現実です。発熱や咳の症状がひどい時、具合が悪い時は登園や登校を控えるようにしましょう。また病院を受診する際は周囲の流行状況や家族の症状の有無がスムーズな診断に繋がることがあります。是非確認して教えてください。
２００４年も残りわずかとなりました。来年も子どもたちの健康と笑顔のために、そしてお母さん、お父さんが安心して子育てができるよう診療に努めたいと思います。
来年もどうぞよろしくお願い致します。