院内報
こあら通信 第310号 February 2024
目次
手づかみ食べ
手づかみ食べ
補完食は、いつから始めますか?と質問されることがあります。補完食は、「支えられれば安定して一定時間座っていられる」「大人が食べていると興味を示す」一般的には生後5~6ヶ月くらいが開始する目安です。
ヒトは、時期がくれば自然に食べたり飲んだりすることができると思いがちです。しかし、子どもにとって食べることは高度な技能であり、学んで獲得するものです。
補完食をすすめる時にぜひ取り入れてもらいことがあります。それは「手づかみ食べ」です。手づかみ食べは子どもの気持ちを尊重する食べ方といわれています。おもちゃに手を伸ばし口の中に入れる動作ができたら手づかみ食べの練習ができます。まず、最初は固くてかみきれない棒状の物(握ったときに子どもの手からはみ出す位の長さ)で練習開始!
STEP1:トレイに生の人参・キャベツやブロッコリーの芯などを載せ座っている子どもの前に出します。子ども自ら見て、触って、探索(遊ぶ)して口の中に入れたりすることからはじめる。
STEP2: やわらかく煮た野菜・肉・魚を1㎝角の大きさにして出す。子どもが指でつまんで口に入れ歯ぐきでかめる。
食べ物をグチャグチャにしたり、ポイっとすることもありますが見守ってあげましょう。母乳やミルクなどの液状の物から固形に移ることは子どもにとって大きな変化です。食べるということに対し練習が必要です。進み方には個性があります。「育児書に書いている摂取目安量(グラム)を食べたかどうか」ではありません。注目すべきことは、「子どもの表情と反応」です。子どもの反応を見ながらその子のペースに合わせ焦らず進めていきましょう。
※補完食とは、母乳やミルクだけでは不足しがちな栄養を補うために赤ちゃんにあげる食事のことです。日本では離乳食と呼ばれていますが、本来の目的は乳離れではないことからこの表現が広まってきました。