院内報

こあら通信　第308号 December 2023

目次

新たな子育て

新たな子育て

　９月に３人目を出産しました。８歳、６歳の長男、次男に続いて産まれたのは待望の女の子でした。６年ぶりの妊娠・出産で忘れかけていた感覚や気持ちを思い出しました。無事に産まれてきたわが子を見て、改めて"命の尊さ"を感じています。今になってまた新たに子育ての機会を与えてもらったことは母親としても小児科医としてもとても嬉しいことです。
　子どもの成長発達には『愛着形成』が不可欠と言われています。愛着とは"特定の人と結ぶこころの絆"です。子どもは不安や恐怖、危機感を感じるとシグナルを出します。このシグナルに気づいてきちんと受け止めてあげること、安心を与えてあげること、これを積み重ねることで愛着ができていきます。心の拠り所ができると精神的な自立ができて新しいことにチャレンジをしようとする気持ちが芽生えていくようになります。これが成長発達の土台となります。
　お腹が空いた時、おむつが汚れている時、眠いのに眠れない時、抱っこして欲しい時・・・赤ちゃんが泣くのには必ず理由があります。泣き声一つ一つに意味があると思うと、その声も愛おしくなります。久しぶりの夜泣きや夜間授乳は辛くないと言ったら嘘ですが、自分にとってはこれが最後の子育てと思うと貴重な時間と感じる日々です。
　長男、次男もまだまだ手がかかる年頃、気がつくと叱っていることが多い毎日ですが、ふと赤ちゃんの頃を思い出すと子どもの成長はあっという間だということに気がつきます。“手がかからなくなる時は親離れの時”という言葉を胸に、今しかない子ども達との時間を大切にしたいと思います。
　早くも今年も残すところあと１ヶ月になりました。
今年はロシアとウクライナの対立に続いてイスラエルとパレスチナの紛争が始まり、連日悲惨なニュースが続く１年でした。戦地では多くの子ども達が犠牲になっていると聞き、胸が痛みます。世界が平和になり、明るいニュースが増えることを心から願います。
　皆様良いお年をお迎えください。