院内報
こあら通信 第303号 July 2023
目次
最近のカゼ事情
便秘のお話
最近のカゼ事情
熱が出たり、咳がひどく長引く子が増えています。当院でも予約が取りにくくなりご迷惑をおかけしています。一つはヘルパンギーナを代表とする夏カゼです。1~2日で解熱し、多少のどが痛くなる程度です。自然に治る病気ですので、周囲で流行があるときは慌てずに家で様子を見るだけでだいじょうぶ。解熱して元気があれば登園登校も問題ありません。もう一つは熱が1週間くらい続き、咳がひどいカゼです。RSやヒトメタニューモというウイルスによることがありますが、原因がわからないことも多いです。いずれも特効薬はなく、様子を見ながら咳止めや去痰剤で治るのを待つことになります。 新型コロナは修学旅行や遠足で集団発生が報告されていますが、日常の園や学校での生活で感染することはほぼありません。ただし家族からの感染に注意が必要です。
便秘のお話
便秘は、子どもに多い病気の一つで珍しいことではありません。よくある病気だから、たいしたことではないと思われがちですが、決して放っておいてよい病気ではありません。
便秘とは、便が長い間出ない・出にくいことをいい、週3回より少なかったり5日以上でない日が続けば便秘と考えます。また、毎日便が出ていても痛がる、肛門が切れて出血するようなときも便秘になりやすいです。
便秘はきちんと治療しないと悪循環を繰り返しひどくなります。いきんでいるのに出てこない・コロコロ便が少しだけ出る・5日以上便が出ていない場合は、受診しましょう。
便秘は、まず溜まった便を出すことが治療の第1歩です。浣腸などで腸が空になった後、再び便が溜まらないように治療していきます。
①生活習慣・排便習慣の見直し・・・トイレは我慢しない、トイレに座る習慣をつける、規則正しい生活、適度な運動
②食事療法・・食事量を増やす、食物繊維の多い食物(緑黄色野菜・海藻類・豆類・イモ類など)、水分を多くとる
③薬物療法・・・浣腸や下剤は癖になりません。使い方が不十分で便秘の状態が続くと薬の効きも悪くなってしまいます。 便秘は、すぐに治るものではありません。排便習慣が得られるまで数か月から数年かかることもあります。医師と相談しながら治療をしていきましょう。