横田小児科医院

院内報

こあら通信 第299号 March 2023

目次

・新型コロナウイルス感染症への対応の変更
・予防接種
・四種混合ワクチンも生後2カ月から接種開始!
・子宮頸がん予防ワクチン~9価ヒトパピローマウィルス(HPV)ワクチン~

新型コロナウイルス感染症への対応の変更

 暖かな日が出始め、スギ花粉も飛び始めて鼻水や目のかゆみで受診する患者さんが増えています。また、インフルエンザAもいくつかの幼稚園や保育園で流行っていますが、まだ大流行というほどではありません。

 ご存知のように新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが、5月8日から2類相当より5類に変更になることが決まりました。マスクの着用も3月13日からは個人の判断に委ねることになり、卒業式や入学式ではマスクを外して参加する選択肢ができることになります。

 5類ということは感染性や重篤性などの総合的観点から見て危険性が低いという意味で、外出禁止などの強制的な措置は取れなくなります。しかし病気が変わったわけではありませんので、持病を持った人たちや高齢者にとってはやはり危険が大きな病気であることを忘れてはいけません。

 マスクの着用も、個人の主体的な判断を尊重し着用は個人の判断に任せるということになりました。場所を選んでマスクをする必要性は残るでしょうが、自分が無症状で、感染する可能性も小さい場所では外してもよいことになります。あくまでも個人の意思を尊重し、マスクの着用を強要したり、無理やり外させたりすることはあってはなりません。

 通常のコミュニケーションが取れなくなったことで、高齢者や子どもたちに大きな影響が出たことは明らかです。心身の不調を訴える子どもたちは増加し、小中学生の自殺者も増えています。早く元の生活に戻れることを願わずにはいられません。来月は私がクリニックを継承して30年、こあら通信300号の節目となりますが、世の中が大きく転換することを期待します。

予防接種

感染症の中にはかぜのような軽いものだけでなく、確実な治療法がなく深刻な合併症や後遺症をおこしたり、命を落としたりする危険がある病気もあります。そうした感染症は、かからないようにまず予防することが大切で、病気を防ぐために必要な免疫を安全につける方法がワクチン接種です。接種した多くの人が病気に対する免疫を獲得します。ワクチン接種の役割は、「自分がかからないため」「周りの人に移さないため」「もしかかっても症状が軽くすむため」の3つといわれています。全ての感染症にワクチンがあるわけではなく、ワクチンで防げる病気(VPD)は、ごく一部にすぎません。

周囲が免疫をつけることで、免疫不全者・予防接種をしたくてもできない人を守ることにつながります。定期接種だけでなく、任意接種も考えてみましょう。

<1歳以降の予防接種>

定期接種 任意接種
1歳児 麻疹風疹(MR)1期
水痘(2回)・ヒプ追加
肺炎球菌追加
4種混合追加
おたふく
(1回目)
3歳児 日本脳炎(2回)
年長 麻疹風疹(MR) 2期
日本脳炎追加
おたふく
(2回目)
3種混合
ポリオ
高学年 子宮頸がんワクチン
  (小6~高1)
2種混合(11~12歳)
日本脳炎2期(9~12歳)
3種混合

3月になり、入園・入学準備で忙しいというご家庭も多いと思います。
この時期、準備の一つとして予防接種の接種漏れがないか確認しましょう。

   
四種混合ワクチンも生後2カ月から接種開始!

四種混合ワクチンは、生後3カ月から接種開始と決められていましたが、今年4月から、ヒブ、肺炎球菌、B型肝炎、ロタウィルスのワクチンと同様に、生後2カ月から同時接種できるようになりました。

四種混合ワクチンは、百日咳、破傷風、ジフテリア、ポリオを予防するワクチンです。特に百日咳は、乳児がかかると死亡することもある重大な病気で2018年から全数把握となり今でも数多くの患者が報告されています。生後2カ月からに接種を前倒しすることで、百日咳にかかる乳児を減らせると期待されています。

赤ちゃんは、生まれたときにお母さんからもらった免疫が落ちる生後5~6カ月までに、予防接種で感染症に対する十分な抵抗力をつけておくことが重要です。「生後2か月から」はそのための最適な時期です。大切なお子さまを守るため、「生後2か月からのワクチンデビュー」を、スタッフまでご相談ください。

子宮頸がん予防ワクチン~9価ヒトパピローマウィルス(HPV)ワクチン~

今年4月から、9価HPVワクチン(シルガード9)が定期接種の対象になることが決まりました。子宮頸がんなどの原因となるヒトパピローマウィルスは100種類以上あり、このうち特にハイリスクのものは15種類とされています。これまで扱ってきた4価ワクチン(ガーダシル)はこのうち4種類を、4月から対象に加わる9価ワクチンは9種類を予防することができます。今後9価ワクチンの接種が進むことにより、約90%の子宮頸がんを予防できると期待されています。

子宮頸がんワクチンの定期接種対象者は、小学校6年生から高校1年生の女子ですが、現在は、この期間に接種しなかった平成9年4月2日以降に生まれた女性を対象に、公費で接種できる「キャッチアップ接種」も行われています。子宮頸がんは、ワクチンで予防できる数少ないがんの1つです。正しい情報を知り、積極的に接種することをお勧めします。

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