院内報
こあら通信 第298号 February 2023
目次
・受験シーズン
・吐いてしまったら
・病児保育室「JAMBO!」より入園準備~保護者の方へ~
・訃報
受験シーズン
年が明け、寒さも一段と厳しくなってきました。新型コロナの患者さんは減少傾向にあるもののまだ多く、A型インフルエンザも見つかるようになってきました。各地でインフルエンザの流行期に入ったという報告が出ており、県西地域でもこれから増えることが予想されています。
COVID-19を感染症法の2類から5類へ変更する案も具体化されつつあり、さまざまな議論があるものの日常生活は少しずつ変わっていくのではないかと思います。そんな中で受験シーズンに突入しています。受験生を抱える家庭では、感染症にかからないよう気を遣っていることでしょう。
長い小児科医としての生活の中で、予防接種を受けていなかったために百日咳肺炎となり受験を見送らざるをえなかったお子さん、重症の喘息発作のために入院となり受験できなかったお子さんなどを経験しました。長い目でみると、受験できなかったことが全てマイナスだったかどうかはわかりませんが、目標としてきたゴールですので無事受験できることが何よりです。
感染症はストレスが大きかったり、睡眠時間が少なかったりするとかかることが多いものです。ストレスが大きいと免疫の機能に影響が及び感染しやすくなると考えられています。自分のことを思い出してみても、忙しかったり、睡眠時間が減ったり、寒いところに長時間いたりしたときに病気に感染することが多いように思います。
試験が近づいたら、ジタバタせずに気持ちに余裕を持ち、よく寝ることが大切です。ない力を試験で発揮することを目指すのではなく、持っている力を全て出し切ることに全力を注ぐことが何よりも大切なのだと思います。
吐いてしまったら
子どもが突然吐いたとき「脱水になってしまうのでは?早く水分を取らせないと…」と心配になり、ついつい飲ませてしまいがちです。子どもが「何か飲みたい。のど乾いた」というと尚更飲ませてしまいますよね。でもまずは慌てず吐き気が治まるまで静かに様子を見ましょう。
1.吐いたら飲水・飲食はしない
吐き気は半日から1日で治まります。吐き気が続いている時に飲ませると胃を刺激してしまい、吐き気が増し繰り返し吐いてしまうことがあります。吐いた後1~2時間は飲んだりすることはせず様子をみます。
2.飲水開始はペットボトルキャップ1~2杯(5~10ml)から始める
何か飲みたいといってペットボトルやコップでガブ飲みしてはいけません。キャップ1~2杯を飲み5分経ったらまた同じ量を飲む…というように少しずつ始めましょう。飲むものは牛乳や柑橘系のジュースなどは避け、経口補水液(OS-1、アクアライト、アクアソリタ)麦茶をおすすめしています。赤ちゃんは母乳継続OK、ミルクは薄めずいつもより回数を減らします。
食事は、吐き気が落ち着き水分が取れるようになってから始めます。食べる物はお粥やうどん・赤ちゃんせんべいなどの消化の良い物がよいでしょう。乳製品や油っこい物は避けます。
受診の目安
・嘔吐が続く・顔色が悪い・目が落ちくぼんでいる
・元気がない、ウトウトしている
病児保育室「JAMBO!」より入園準備~保護者の方へ~
まだまだ寒さ厳しい2月ですが、4月からお子さまの入園を控える保護者の方にとっては、春まであっという間、入園準備に気ぜわしい毎日を過ごされていることと思います。
新しい生活に期待する一方で、「入園説明会で言われた通り必要な物はそろっているか」「自分から離れてこの子は園で過ごせるのか」など不安や心配は尽きません。その思い、私たち保育士もよくわかります。ただ残念ながら、その不安な気持ちはお子さまにも伝わってしまいます。どうかちょっと深呼吸して、いつもと変わらずお子さまと触れ合い、いつもと同じ愛情を注いであげてください。
初めて預ける時は、ほとんどの子が泣くのが当たり前で、それはこれまで保護者の方が愛情を注いできた証でもあります。お子さまが泣いてしまっても焦らずそのまま受け止めてあげる、困ったら園の先生に相談する、とするとそのうちに、お子さまも園生活に慣れ、先生との信頼関係もできてきます。「子どもにとっていいことは何なのか」園生活の中で、先生と一緒に考えていけたらいいですね。
「JAMBO!」の新年度登録も3月から開始します。胃腸炎やインフルエンザのお子さまもお預かりしています。入園準備の一つとしてご検討ください。
一時預かり保育室「pole pole」(ポレポレ)
毎日の育児で「ちょっと一息つきたいな」と感じる事はありませんか?パパ、ママとして頑張っている日々…でも、眠りたい、自分の時間が欲しい、そんな時もありますよね。当院では、一時預かり保育室 「pole pole」を開室しています。生後14日目から、未就園のお子さまのお預かりが出来るので、出産直後で身体を休ませたい時や、ショッピングや美容院へ行きたいという時でもご利用が可能です。休息することで、あらためて、赤ちゃんとゆったりした気持ちで向き合う事ができるかもしれません。ご利用の際は、できるだけ希望日の1週間前までに受付にご相談ください。お待ちしています。
(医療的ケアが必要なお子さまもお預かりします。詳細はホームページをご覧ください)
訃報
ジャンボの開設当初からお掃除を担当してくれていた大日向由紀子さんが、昨年末病気のため急逝されました。病児保育に深く心を寄せていただき、子どもたちを気遣って、最後まで丁寧に環境整備のために尽くしてくださいました。感謝とともにご冥福をお祈りいたします。