横田小児科医院

院内報

こあら通信 第295号 November 2022

目次

・中学高校時代の同窓会誌
・咳の時のホームケア
・第31回日本外来小児科学会年次集会に参加して

中学高校時代の同窓会誌

 新型コロナの流行がやっと落ち着いてきたものの、第8波が心配されるこの頃です。急に気温が下がり、一夜にして富士山が真っ白になったのには驚かされました。そんな中、久しぶりに私の母校栄光学園の同窓会誌が送られてきて、当時の校長の没後30年の特集が組まれていました。

 栄光学園は進学校です。しかし、勉強ばかりでなく独特の教育がされている学校です。「Men for others」他者のための人であれ、という一貫した教えがあります。私が学んだ時代の初代校長はドイツ人のフォス先生。中学高校時代の教えが今の自分の身についているかな‥と思いながら、特集を読んでみました。その中から、教育・父親についてのフォス先生の言葉を紹介させてもらいます。

 「教育論的に言えば、子供に影響を与える順番は家庭、学校、社会が正しい。しかし、現在はその順番が狂ってしまったようだ。親が協力しない限り、学校は無能である。親が自分は何もしないで、学校や先生の責任を云々するのはおかしいのだ。しかるべき態度の土台になるものが無ければ、先生がいくら努力しても、もう遅すぎる。子供の教育は誕生したその日から始まる。それを親は忘れている。」

 「オヤジは下宿人、夜のお客さんになってはいけない。今日の父親にとって難しいことかもしれないが、我が子のため、我が妻のために、オヤジは努力しなければならない。たとえ不完全であろうと、未経験であろうと、オヤジは子供の最初の教師ではないか。子供の進学先を心配するよりも、子供と一緒に生活する努力の方が先である。」(新潮45+ 1990年5月より)

 30年以上前の言葉ですが、改めて噛みしめたい気持ちにさせてもらいました。

咳の時のホームケア

11月になり、朝晩ぐっと冷え込み体調を崩して発熱・咳・鼻水の症状で来院される方が多くなりました。
乳幼児は、咳・鼻水が多いと「眠れない」「ミルクが飲みづらい」「咳込んで食べたものを戻してしまう」など日常生活で困ることがあります。夜は副交感神経が優位になるため気管支が狭くなり、鼻水や痰は粘り気味になります。また、横になると鼻水がのどに落ちて咳込みやすいこともあり、日中より夜の方がひどいと感じます。今回は、咳が出ている時のホームケアについてお話します。

1. 咳込んでよく眠れないときは、たて抱きにしたり布団から起きて座らせ背中を軽くトントンする。痰が切れやすくなり咳が少し楽になる。
2. 咳き込んで吐くこともあるため、食事はいつもより少なめに。軟らかめのものやスープなどがおススメ。乳児は、ミルクやオッパイの1回量を少なめにし1日の回数を多くする。
3. のどを湿らすと痰が切れやすくなるので、少量の水分をこまめにとる。
4. 換気をこまめにする。室内では加湿器の使用や洗濯物を干し加湿をする(50~60%)
5. 1日のうちで一番気温が急に下がる朝方は、乾いた冷たい空気に触れることで気管が刺激を受け咳込みやすくなる。エアコンのタイマー機能を利用し朝方の室温を上げる。
6. 咳が出ているときは、ダニやほこりなど外部の刺激に対し敏感に反応するため、寝具を清潔にする。
7. 元気があればお風呂に入る。湯気で呼吸が楽になる。

風邪の治りかけの方が咳の回数が増え、悪化したように感じることがあります。風邪の咳であれば1週間程度継続して治ります。ホームケアをしながら、辛いときは処方された薬を服用しおうちで様子をみていきましょう。

   
第31回日本外来小児科学会年次集会に参加して

8月27日から28日にかけて日本外来小児科学会年次集会が福岡で開催されました。一昨年、昨年とWEB参加だったスタッフも3年ぶりに現地を訪れました。

子どもとメディア環境の講演を聞きました。以前から子どもとメディアに関することは色々と言われており、当院乳児健診の時も先生からお話しています。今回の講演では、メディア(特にスマホ)による子どもへの影響・ネット依存・ネット依存対策などの話がありました。子どもへの影響は、愛着や乳幼児の言葉の獲得への影響がいわれ、スマホ時間が長い→睡眠時間が短い、体力・学力・視力・コミュニケーション・脳機能の低下なども指摘されています。ネット依存の研究は色々とされています。25人に1人・3時間以上/日利用する人が依存症になる可能性があり、好発年齢は14~15歳(最近は小学生が増えている)だそうです。 子どものネット依存には、親のネット利用時間も関係していると話されていました。子どもだけでなく親もネット利用時間を2時間以内/日、ノーメディアデーを作る、ネットは楽しいことばかりではなく危険があることを認識していかなければと。ネットは100%安全ではないこと、心身への悪影響を与えることを踏まえて上手に利用していこうと改めて感じました。(小長谷)

学会プログラムの中で<医療現場での「やさしい日本語」>というタイトルに惹かれ、お話を聞かせてもらいました。最近当医院にも外国出身の患者さんやご家族に多くご来院いただいているように感じていたからです。外国籍の方は法律・制度、ことば、こころの壁…様々な困難を抱えて日本で生活をしている方が多く、病気になってクリニックにかかり症状を伝える、診察結果を聞く、といった医療を受けることはさらに高いハードルになることを知りました。「やさしい日本語」では一文を短く語尾を明瞭にして文章を区切ることや丁寧語で話すなど、全部で10個のコツがありこれらを意識して話をすると言葉が伝わりやすくなるというものです。こうした対応をとることは外国の方ばかりではなくご来院いただく皆様全員に通じることではないかと考えられました。学んできたことを活かし誰にでも分かりやすい表現を心がけていきたいと思います。(高田)

横田小児科医院

お問い合わせ先

横田小児科医院

病児保育室JAMBO!

一時預かり保育室pole pole

〒250-0051
神奈川県小田原市北ノ窪515-3
----------------------------------
TEL 0465-34-0666
FAX 0465-35-0756
自動予約専用電話 0465-35-0677

ページの上部へ