院内報
こあら通信 第294号 Oct 2022
目次
・ウィズコロナの時代へ
・2022年のインフルエンザワクチンは・・・
・アレルギーQ&A
・インフルエンザワクチン接種
ウィズコロナの時代へ
新型コロナウイルス感染症の第7波がようやく収まってきました。9月下旬から全数報告が終了し、医療機関では特定の対象の患者さんを除いて、1日の患者数だけを報告すればよいことに変更されました。隣の韓国でも室外マスクの着用義務が全面解除されることになったと伝えられています。
明らかにコロナと共に生きていく(ウィズコロナ)という方向に世の中が舵を切ったように感じます。この3年余りの間、確かにコロナのために亡くなったり後遺症が残ったりした人もありました。しかし、それよりも多くのいろいろなことが私たちの生活から奪われてきたことは確かです。
経済活動が停滞したことはもちろんですが、大切な人の死に目に会えない、お葬式にも出られない、結婚式やお祝い事ができない、お祭りや記念行事が行えない…など本来はとても大事なことが行えないまま私たちは過ごしてきました。何よりも群れて遊ぶことが大切な年齢の子どもたちが、思うように遊べないまま、子どもらしさを発揮できないまま過ごしてきたことは、今後大きな問題を残すのではないかと懸念されています。
コロナウイルスに感染しないための注意ももちろん必要ですが、それにより得られるものと逆に失われるものを天秤にかけて決断していくことがこれからは求められていくでしょう。怖がってばかりいる時期は終わり、自分で考えて行動することが大切になってきます。ワクチン接種もこれからは選択肢の一つとする必要があると思います。
シーズンに入った運動会が滞りなく行われ、クリスマス会や新年会、そして卒業式と入学式が、以前のように盛大に開催されることを心から祈っています。
2022年のインフルエンザワクチンは・・・
10月になり、今年もインフルエンザワクチンの接種が開始されました。インフルエンザは、2020年2月以降感染者の報告数は急速に減少し、ここ2年は国内での流行がみられず、社会全体のインフルエンザに対する集団免疫が低下している可能性があるといわれています。毎年北半球のインフルエンザ流行指標となるオーストラリアでは、2022年5月~8月にかけて2020年、2021年に比べ感染者数が急増しています。このことから、2022年冬日本でもインフルエンザが流行するのではないかといわれており、更に新型コロナウイルス感染との同時流行も懸念されています。
そのような中で、インフルエンザワクチンなどワクチンで予防できるものはできるだけ接種し、医療機関への受診の抑制をして医療現場の負担軽減をしようと提言しています。
乳幼児に対する効果について、厚生労働省のホームページには、概ね20~60%の発病防止効果があり発病後の重症化や死亡を予防することに一定の効果があると書かれています。効果が発揮するのは、接種後2週間くらいからで、徐々にワクチン効果が減少するものの6か月くらいは持続します。ワクチンは、生後6か月以上の全ての方に推奨されますが、基礎疾患や高齢者・乳幼児・妊娠されている方などに特に接種が推奨されています。厚生労働省の審議会で安全性と有効性の面から議論され、2022年は新型コロナワクチンとインフルエンザワクチンの同時接種が実施可能となりました。
ワクチンとともに、流行している季節には十分な感染対策を心掛けましょう。
※現在、コロナワクチンと同時接種ができるのはインフルエンザワクチンのみです。
アレルギーQ&A
こあらボイスに質問をいただきました。日本アレルギー学会認定アレルギー専門医のれいな先生が回答します。
Q. 離乳食について、まだ0歳のうちから動物性の食品などを口にするとアトピーになる子も多いという意見を聞きました。どう思われますか。
A. アトピー性皮膚炎の病因は遺伝や体質によるところが大きくそこに外的な刺激や要因が加わって発症します。今のところ、肉や魚、卵などの動物性食品を避けるとアレルギー疾患の発症予防が期待できるという研究報告はありません。また食物アレルギーについては、以前は発症予防のために、アレルギーを起こしやすい食べ物はできるだけ遅く食べ始めた方がいいと考えられていましたが、最近はアレルギーを起こしやすいものほど早く食べさせた方が発症予防になるということがわかってきました。近頃、人々の健康への意識が高まり、主に野菜を中心とした植物性食品が注目されるようになっていますが、動物性食品には人間の体に不可欠な必須アミノ酸がバランスよく含まれています。栄養の面でも、アレルギー予防の面でも小さいうちから色々な食材をバランスよく食べることが大切です。もちろんアレルギーが明らかな場合には必要最小限の除去が必要になることがあります。もしアレルギーが心配な場合は、自己判断で除去しないで是非アレルギー外来で相談してください。
インフルエンザワクチン接種
~接種にあたってのお願い~
新型コロナ感染拡大防止のため以下の注意点をご理解の上、ご協力をお願いいたします
☑予約はWeb予約Stationをご利用ください
☑持ち物→母子手帳、保険証、医療証(お持ちの方)を忘れずに
コロナワクチンと同時接種の方は、接種券と記入済みの問診票も一緒にお持ちください
☑来院前にお熱を測りましょう
☑可能であればおうちで問診票の記入をお願いします(ホームページからもダウンロードできます)
☑できるだけお釣りのないようにご用意ください
☑最少人数で、予約時間通りにご来院ください
なお、同時接種のご希望があれば、Webで同じ時間にご予約いただくか受付にご相談ください