院内報
こあら通信 第291号 July 2022
目次
・日本の子どもたちの未来のために
・子どもの虫刺され
・病児保育室JAMBO!は9年目をむかえました
・データで振り返るJAMBO!の1年間(3年4月~4年3月)
・待合い室インフォメーション
日本の子どもたちの未来のために
昨年の日本の出生数は81万人。100万人を初めて割ったのは2016年なので驚くべき減少率です。親となるべき人にとって、子どもを持つことは経済的にも自己実現のためにも難しい選択となっています。重い感染症は確かに減って、事故で亡くなる子どもも少なくなりました。しかし、子どもたちは幸せに育っているでしょうか。児童虐待の児童相談所への通告数は年間20万件を超え、不登校の子どもは多く、自殺も10〜15歳の死因の第2位です。ユニセフのイノチェンティ研究所が定期的に出している世界の子どもの状況分析レポートでも、日本の子どもの精神的幸福度は2020年先進38国中37位という評価です。
小児科医の夢だった生育基本法が2019年12月に施行され、子ども政策の集大成とも言える「こども基本法」と「こども家庭庁設置法」が6月の国会最終日に成立しました。これから子どもたちのために政治や行政が変わっていくと思いたいところですが、けっして簡単ではありません。
ウクライナの戦争で防衛費を増やすことは当然のように議論されていますし、落ち込んだ経済のために投入しなければならない資金も多いはずです。しかし、そのような状況でも子どもたちの未来のために、子育て支援の財源を増やすのは至難の 技です。子ども政策への資金投入は長い間先送りにされてきましたが、もう待つことはできません。今の情勢では、よほどの覚悟がない限り思い切った新たな予算を組むのは難しいでしょう。誰が本気で戦ってくれるでしょうか。
政治家は誰でも少子化対策と子育てが大切と言います。しかし、本気でやってくれる人はそうたくさんはいません。参議院議員選挙にあたって、保護者の方々には誰が子どもの未来を守ってくれるのかを判断し、投票に行ってほしいと願っています。獲得した投票数は議員の力そのものであり、それは皆さんの投票にかかっています。
子どもの虫刺され
夏は子どもが外で遊ぶ機会が増え虫に刺されやすくなります。虫刺されとは、虫が血を吸ったり、刺したり咬んだ時に起こる皮膚症状のことで、虫のもつ唾液成分などの異物が皮膚に入ることで刺激反応やアレルギー反応が起こります。
主な症状は、かゆみ・皮膚の赤み・刺された箇所や周辺の腫れ・水ぶくれなどが現れます。なかでもかゆみは、子どもがかき壊して化膿したり、とびひなどを引き起こす原因にもなるため注意が必要です。刺されたときは、まず刺された箇所を水で洗い流し清潔にしてから虫刺されの薬を塗ります。かゆみが強い場合は冷やすことでかゆみが抑えられます。
虫刺されを予防するためには、
1. 肌の露出を控える。薄手の長袖・長ズボンを着せることは有効な対策の一つです。衣類の色は、蚊やブヨなどが寄ってくる黒い物は避けましょう。
2. 虫よけスプレーなど使用する。外出するときは虫が嫌う成分の入った虫よけを使用するだけでなく携帯するとよいでしょう。製品によって赤ちゃんには使用できないものもあります。説明書を確認しましょう。
3. 虫の発生源をなくす。蚊は水たまりから発生します。蚊の発生を防ぐため、庭や家の周りにある植木鉢の受け皿や子どもの遊具など水が溜まったままにならないように整備しましょう。
虫に刺されてからの対処はもちろんですが、刺される前に対策を行うことも重要です。
病児保育室JAMBO!は9年目をむかえました
コロナの不安や心配もまだありますが、4月から初めての利用の方も増え、賑わいが少しずつ戻ってきています。お陰様で、病児保育室JAMBO!は設立9年目を迎えることが出来ました。ご利用いただきまして誠にありがとうございます。
JAMBO!では、風邪をひいて園での行事に参加できなかった子が「せっかく楽しみにしていたのに…」とつぶやく声をよく聞くことがあります。そんな子たちのために、何かできる事はないかと思い、今月はみんなで笹の葉に七夕飾りや短冊を作ろうと考えています。少しでも七夕の雰囲気を味わえる様に、天気の良い日はテラスに飾り、それを眺めながら昼食を食べる事も計画しています。
七夕の他にハロウィンやクリスマスなど、様々な季節のイベントがあります。病気で園をお休みしてもJAMBO!で楽しんでもらえると嬉しいです。今後も子どもの思いに耳を傾けながら、より保護者の皆様にも安心してJAMBO!を利用して頂けるよう、スタッフ一同頑張っていきたいと思います。これからもJAMBO!をよろしくお願いします!
データで振り返るJAMBO!の1年間(3年4月~4年3月)
いつもJAMBO!をご利用いただきありがとうございます。平成3年度利用者のデータを載せてみます。
利用年齢:1-2歳の方の利用が2/3を占めています。0歳児、5歳以上の方もご利用できます。
病名:風邪の熱・せきによる入室が多く、中耳炎・胃腸炎・RSウイルス感染症の方が続きました。
待合い室インフォメーション
コロナ禍で感染防止のため待合室からおもちゃがなくなり、少しさみしくなっていたクリニックに先月末から大人の身長ほどの水槽がやってきました。色とりどりの魚たちが水の中を悠々と泳ぐ姿に声をあげて喜んだり、お会計が済んでもまだお魚をみたいと待合室に戻っていくお子様を多く見かけます。スタッフが近づくとエサをもらえると分かるようで寄ってこられるとうれしくなります。あっという間に愛すべきクリニックの一員になりました。ここで皆様にお願いですが、水槽を叩いたりするようなことがないようにご注意ください。
お魚が驚きストレスの原因になると元気に泳げなくなってしまうそうです。どうぞやさしく見てあげてください。