院内報
こあら通信 第237号 January 2018
目次
・正確な情報
・受診の目安
・横田先生の新しい本
・アンパンマン、横田先生とのお約束
・お知らせ
・編集後記
正確な情報
新年あけましておめでとうございます。今年も横田小児科医院と病児保育室ジャンボをよろしくお願いします。
インターネットのおかげで医学の知識は驚くほど普及してします。どんな病気のこともすぐに調べることができますが、困ったことに直面します。まったく違った情報が、どちらも正確であるかのように書かれているのです。
最近、こんな記事が出ていました。『市販されているさまざまな咳止めの薬から、米国で「風邪に効く」とされているチキンスープといった民間療法まで、あらゆる治療法に関して米国胸部医学会の専門家委員会が文献のシステマティックレビューを行ったところ、効果を裏付ける質の高いエビデンスがある治療法は一つもなかったという。これに基づき同委員会は指針をまとめ、「風邪による咳を抑えるために市販の咳止めや風邪薬を飲むことは推奨されない」との見解を示した。』
風邪薬で咳がよくなったことがある…という人もきっといるに違いありません。でも、薬を飲んで咳がよくなったというのは、ちょうど咳がよくなるときにたまたま薬を飲んだだけかもしれません。本当に効くか効かないかを調べるためには、同じような症状の人に、中味が判らないようにして咳止めの薬とそれ以外の薬を飲ませて、治り方を比べてみるというのが正しい検証方法です。このような研究で効果が検証されているものがほとんどないということなのです。
小児科医の間でもふつうの風邪には咳止めを使わないという人が増えてきています。咳止めの薬を出さずに診るのも心配ですが、受診する方々に正確な情報を届けられるよう、これからも勉強しながら診療を見直していこうと思います。
受診の目安
かかりつけの病院がお休みの日や夜中に子どもの具合が悪くなったとき、救急外来や休日夜間診療所を受診するべきかどうか悩んだことはありませんか?今回は受診理由で一番多い「発熱」についてお話します。
発熱は、体内に入ったウイルスや細菌の増殖を抑え体を守ろうとする防御反応です。一般に37.5度以上を発熱としていますが、子どもの場合は熱の高さより熱以外の症状が大事です。元気・食欲・機嫌はどうか、咳や鼻水などの症状がないかどうかです。熱だけで他に症状がない場合は、1日様子をみてみましょう(体温は1日3-4回測り記録します。受診時メモしたものは持っていきましょう)。ただしこのような症状の時は必ず受診してください
1. 生後3ヶ月未満の高熱
2. 意識障害・けいれん
3. 元気がなくグッタリしている
一番大事なことは、子どもの普段の様子を知っていることです(食欲・睡眠・機嫌・おしっこ・ウンチ・平熱)。「いつもの様子となんか違う」というパパやママの感覚は大切です。具合が悪くなったときに慌てないように、普段から医療機関の情報を調べておくこともお勧めです。
受診するかどうか迷ったときは、小児救急電話相談「#8000」や日本小児科学会が運営している「ONLINEQQ こどもの救急」(http://kodomo-qq.jp)に相談してみるのもいいかもしれません。
横田先生の新しい本
横田先生総監修の「病気 新百科mini」を当院でお買い求めいただけます。以前に発売されたものからA6判へとサイズダウンし持ち歩くにも便利になりました。写真やイラストが多くわかりやすいと好評で、ご家庭用やお子さんお誕生のお祝いに多くの皆様にご購入いただいています。ご希望の方は横田先生のサイン入りでお渡ししますので、受付へお声かけください。
アンパンマン、横田先生とのお約束
横田先生総監修の「病気 新百科mini」を当院でお買い求めいただけます。以前に発売されたものからA6判へとサイズダウンし持ち歩くにも便利になりました。写真やイラストが多くわかりやすいと好評で、ご家庭用やお子さんお誕生のお祝いに多くの皆様にご購入いただいています。ご希望の方は横田先生のサイン入りでお渡ししますので、受付へお声かけください。
お知らせ
月に一度アレルギー外来を担当していただいた安戸先生が職場の移動の為、今月で当院を退職することになりました。安戸先生で診察されていた患者様のなかで聞いておきたいことなどがある方はご連絡ください。今後は安藤智暁先生と泰道麗菜先生でアレルギー外来を担当していきます。泰道先生の診療時間等はおってお知らせします。
編集後記
新年おめでとうございます。今年も皆様のお役に立つ情報を多く掲載できるようにクリニック・JAMBO!のスタッフ一同努力してまいります。お気づきの点、ご意見等ありましたら、いつでもお寄せください。