院内報
こあら通信 第225号 January 2017
目次
・病気の移り変わり
・やけど
・JAMBO!よりこんにちは ~乳児の歯のケア~
・待合室インフォメーション
・お知らせ
・お願い
・編集後記
病気の移り変わり
明けましておめでとうございます。今年は酉年。子どもたちにとっても良い年となるよう祈りたいと思います。出だしが早かったインフルエンザも大きな流行とはならず年を越しました。これからが本番ですので注意してください。
長く開業していると、昔とは様変わりした病気が少なくありません。たとえば、最近の溶連菌感染症はあまり喉が赤くならず身体に発疹が出る患者さんが増えているような印象があります。流行している細菌の型が変化しているのかもしれません。突発性発疹は生後6カ月から1歳前くらいにかかる子が多かったのが、今は1歳前後が中心で、明らかに発病時期が遅くなっています。最近はワクチンが広まってあまり見なくなったロタウイルスの胃腸炎は、昔は1-2月の一番寒い時期に多かったのが、最近では3月以降になって流行が始まっています。
また、治療法もだいぶ変化したものがあります。たとえば気管支喘息ですが、私が小児科医になりたての頃は発作で受診してもすぐに吸入してはいけない…と。すぐに吸入して楽になると、吸入に依存してしまうのでまずは腹式呼吸をさせて、それでもダメなら吸入させると教わったのです。ステロイドも依存性になるので使ってはいけないと言われていました。しかし、今では気管支の炎症を少なくするためになるべく早く吸入する、吸入ステロイドを使うのが常識になっています。これによって重症の喘息が減り、喘息で亡くなる方も激減しました。
食物アレルギーもなるべく乳児期早期から少しずつ食べた方が重症のアレルギーにならないことがわかってきました。先を見通すのは難しいことですが、今の常識にとらわれず、物事の本質を見抜く力が必要なのだと感じるこの頃です。
やけど
寒い時期に多くなる「やけど」の事故。事故の原因は、暖房器具・加湿器やポットなどの蒸気・熱い飲み物を触ったなどです。
大人は熱いものに触れると、反射的にすぐに手や足を引っ込めるという反応ができます。しかし、赤ちゃんは、危険から身を守る反応が大人より鈍く皮膚も弱いため、ちょっと触れただけでも大やけどにつながることがありとても危険です。
もしやけどをしてしまったら・・・まず応急処置でしてもらいたいことは「速やかに冷やす」ということです。冷やす時間は、5~30分位と言われています(痛みが治まるまで)。もし服を着ている部分にやけどを負った場合、服の上から流水で冷やします。無理に服を脱がそうとすると、やけどの程度によってはやけどの部分の皮膚も一緒にはがれてしまう可能性があるので脱がしません。水ぶくれ(水疱)ができていたら破らずに、清潔なガーゼなどで覆います。冷やしても痛みが治まらない(赤ちゃんは泣き止まない)場合は、自己判断で軟膏や消毒薬など使用せず受診しましょう。
JAMBO!よりこんにちは ~乳児の歯のケア~
冬休み、お正月と続きお子さまと美味しいものを口にする機会が多い季節です。今月は病児保育室ジャンボの保育士より『乳児の歯のケア』についてご紹介します。
① 歯磨きについて
歯磨きはお子様の歯2本分の根元に歯ブラシをあて、細かく磨くというより撫でる感じで動かします。歯ブラシは柔らかくてもしっかりしている物を選びましょう。お子様が嫌にならないように、短時間(10数える間位)で終わらせるのがポイントです。
② フッ素塗布について
虫歯予防のためにフッ素を使うのは歯が生え揃ってからがお勧めです。歯医者さんで塗るものが高濃度で最も効果的です。自宅でフッ素入りの歯磨き粉を使う場合は、仕上げ磨きの際にこすらず塗ります。毎日使わないと効果がないので、ブクブクうがいができるようになってからにしましょう
具合の悪いお子さまをお預かりするジャンボでは歯磨きは行わず、できる子だけ食後に水でブクブクして終わりにします。無理をせず、毎日少しずつでも続けることで大切な歯を守ってあげたいですね。
待合室インフォメーション おすすめの絵本 『てぶくろ ~ウクライナ民話~』
雪の降る寒い森でおじいさんが落とした温かそうなてぶくろ。それを見つけたねずみはこのてぶくろの中で暮らすことを決めます。するとかえる、うさぎ、きつねと次々に動物たちが集まります。「わたしも入れて」「どうぞ」とだんだん大きくなる動物とぎゅうぎゅう詰めのてぶくろ…まだ入れるのかな?とドキドキわくわくしながら一緒に楽しめます。動物が増える度に少しずつ変化するてぶくろも見どころです。寄り添う動物達が可愛らしく寒い冬にぴったりな絵本です。
お知らせ
MRワクチン、日本脳炎ワクチン接種をお待ちの方へ
昨年来不足してご迷惑をおかけしておりましたMR・日本脳炎ワクチンについては、いまだ入荷が不安定ですが、Web予約を再開しました。ご希望の方は予約をお願いします。
お願い
インフルエンザにかかったかな?と思って受診するときには、感染防止のためマスクのできるお子さんはマスクをして来院をしていただくようご協力をお願いします。また、今シーズンも横田先生がインフルエンザワクチンの有効性調査を行っているため、インフルエンザワクチンの接種歴や罹患歴(近年インフルエンザにかかったか)を問診や検査結果をお待ちの間にお伺いします。あわせてこちらもご協力をよろしくお願いいたします。
編集後記
あけましておめでとうございます。新しい1年が始まりました。いつでも、横田先生と一緒に皆様が困ったときにお役にたてるスタッフでありたいと思います。今年もどうぞよろしくお願いいたします。
横田小児科医院・病児保育室JAMBO!スタッフ一同