院内報
こあら通信 第216号 April 2016
目次
・小児かかりつけ診療料
・溶連菌感染症
・おすすめの絵本「バーニンガムのちいさいえほん」
・*JAMBO!より*
-保育士さんからアドバイス
-新スタッフ紹介
-登録はお済ですか?
・お知らせ
・編集後記
小児かかりつけ診療料
4月は新学期。入園、入学などがあり、子どもたちが希望に胸を膨らます季節です。医療界も新しい年度になり、診療報酬の改定が行われました。今回の改定の目玉は「小児医療の見直し」と言われています。その中でも小児の外来患者さんに関係あるのは、「小児かかりつけ診療料」が新設されたことです。
小児外来医療において、継続的に受診し、同意のある患者について、適切な専門医療機関等と連携することにより、継続的かつ全人的な医療を行うことを総合的に評価する…ために新設されたと説明されており、患者さんがかかりつけのクリニックを決め登録することが必要です。
登録すると、クリニックには「電話などの問い合わせに原則として常時対応する」「急性疾患や慢性疾患について必要な指導、診療を行う」「健診結果を把握し、発達段階に応じた助言・指導を行い保護者からの相談に応じる」「予防接種歴を把握し、予防接種のスケジュール管理などに関する助言を行う」「必要に応じて専門医療機関を紹介する」などを行う義務が生じ、その代わりに1回の受診料金が300円加算されることになります。
その他にもクリニックとしての要件がいくつかありますが、小児科専門のクリニックであれば簡単にクリアできるものです。問題は時間外の対応です。クリニック以外での仕事も多く、夜間にいつでも対応できる年齢でもなくなっていますので、この制度をすぐに受入れるのは今のところ難しそうです。
しかし、横田小児科医院は子どもたちがかかりつけになってくれることを目標としてこれまでも診療を続けてきましたし、今後もその気持ちに変わりはありません。これからも何でも相談されるクリニックであり続けるつもりです。
溶連菌感染症
学校や保育園・幼稚園などの集団生活で流行する「溶連菌感染症」。1度は耳にしたことはありませんか?溶連菌感染症とは、溶血性連鎖球菌が喉に感染することで起こる病気です。
発熱・喉の痛み・体や手足に赤い発疹・イチゴのように舌がブツブツと赤い(いちご舌)などの症状が出ることがあります。溶連菌に感染しているか簡単な検査で調べることができます。検査で陽性と診断されると、抗生剤が処方されます(7~10日位)。内服し始めると1~2日ほどで症状が改善します。しかし、自己判断で内服をやめてしまうと、生き残った菌が炎症を再燃させ、まれにリウマチ熱や腎炎を起こすことがあります。処方された薬は、必ず飲みきりましょう。抗生剤を内服し始めて24時間以上経っていれば、人にうつす心配がないとされているため、症状がなければ登校・登園可能です。ただし、内服しても熱が下らない・喉の痛みが強く食事や水分が取れないときは、早めに受診しましょう。
おすすめの絵本「バーニンガムのちいさいえほん」
この絵本は、1人の男の子の目線から見た何気ない日常がシリーズで描かれています。例えば、シリーズ8の「あかちゃん」はお兄ちゃんになった男の子が素直に感じた「あかちゃんてこんなだよ」というお話です。お母さんとあかちゃんと3人で散歩に行ったりお風呂のお手伝いもできる“お兄ちゃん”、小さなあかちゃんをかわいいと思う一方で、お母さんをとられるみたいで時々寂しくなったりもします。それでもいつかあかちゃんが大きくなって一緒に遊べる日がくるのを楽しみに待っています。イラストはシンプルですが、お話と同じようにどこかほっこりするような優しい色とタッチで描かれています。文章も短く、簡単な言葉でテンポよく書かれているので何度も繰り返し読むのもお勧めです。お兄ちゃんやお姉ちゃんになるお子さまと一緒に、また小さなお子さまの初めての絵本にいかがでしょうか?
*JAMBO!より*
保育士さんからアドバイス
・子どもが話してくれるのを待ちましょう!
新学期、新生活が始まりました。集団生活を過ごすお子さんのことが気にかかるおうちの方も多くいらっしゃると思います。けれどもそこで、何して遊んだの?お友達と仲良くできた?などと園での様子を矢継ぎ早に聞いてはいませんか?このように聞いてしまうと子どもは威圧的にとらえ、お母さんの言う通りに生活を送らなければならないとプレッシャーを感じてしまいます。お子さんが話をしてきたら、話の調子をあわせて聞いてあげてください。それでも心配なことがあるときは連絡ノートなどを利用して担任の先生に様子を聞いてみましょう。
・新スタッフ紹介
こんにちは。病児保育室「JAMBO!」で昨年秋から働いている保育士の青木陽子です。我が子3人もずっと横田先生にお世話になり、大きくなって社会人として巣立っていきました。保育士として子ども達と関わって約25年になります。病気のお子さまをお預かりするジャンボでは、「今日だけしか会えない」子もたくさんいます。一緒に過ごすお子さまとの限られた時間をできるだけ大切にし、ジャンボに来て楽しかったと感じてもらえるような保育をしたいと心がけています。まだまだ勉強中ですがこれからどうぞよろしくお願いします。
登録はお済みですか?
日頃、病児保育室JAMBO!をご利用いただきありがとうございます。昨年度は、延べ800人を超える皆さまにお越しいただきました。困ったときに頼りにしてもらえることを院長・スタッフ一同嬉しく思っています。さて、病児・病後時保育室の利用に際しては年度ごとに事前登録が必要です。いざという時、すぐに利用できるように登録を済ませておくと便利です。登録は市役所保育課、もしくは当医院内ですることができます。
お知らせ
★日本脳炎ワクチンの予約を再開しました★
一部規制されていた日本脳炎ワクチンの出荷が再開されました。長くご迷惑をおかけしましたが、現在は予約を通常通りおとりしています。日本脳炎ワクチンは、1期が3歳頃から7歳半までに3回、2期が9歳から13歳までに1回、接種が必要です。1期追加(3回目)から2期までは4~5年間隔をあけることをお勧めしています。ただし対象年齢外でも接種回数が不足している場合、特例として接種できることもあります。詳しくは受付までご相談ください。
編集後記
月並みですが、春は出会いの季節であるとともにお別れの季節でもあることを痛感します。発達と育児の相談室の小倉直子先生、看護師の竹田夕希さん、JAMBO!保育士の市島直子さんが退職されることになりました。新天地でのご活躍をお祈りしています。