院内報
こあら通信 第20号 DEC 1999
目次
・1900年代の終わりに
・ヨコピーのQ救箱
・ホームケアアドバイス
・アンケート結果のご報告
1900年代の終わりに
1900年代最後の月になりました。子どもの頃、2000年になった時の自分の姿をよく想像してみたものですが、予想とはだいぶ違った姿の自分があるように思います。来年は私の干支、辰年です。
小児科医になって 20年を過ぎました。この間に子ども達を取り囲む状況も大きく変わっています。重い病気が少なくなって、子ども達の命を病気から守るという必要性も減っています。私の父が「カゼをひかせてしまった」お母さん達を叱りながら診療をしていたのは、子どもが肺炎などの病気で亡くなることが多かった現実があったからでしょう。
今ではカゼから重い肺炎や胃腸炎になることは少なくなりましたし、そのために命を落とすということもまずありません。カゼは注意してもひくものです。インフルエンザの流行時に人込みに行かないような注意は必要ですが、保育園・幼稚園などの集団生活を簡単に休むことはできません。カゼをひいたら充分な休養を取り、適切なホームケアを行うことが一番大切なことなのです。
一方、子どもの心には大きな変化が起こっているように思います。不登校やいじめの問題だけではなく、目標や意欲を持たない子ども達、思いやりの心が育たない子ども達が増えているように思うのですが、皆さんはどのように感じているでしょうか。このままでは日本も終わり・・と考えるのは私だけではないでしょう。
私は小児科医ですから子どもの健康を守るのが仕事です。体の健康を守ることはもちろん第一ですが、それだけではなく心の健康も考えていきたいと思います。忙しい診療の中でもそのことを心掛け、皆さんのお役に立ちたいと願っていますので、どうか横田小児科医院をじょうずに利用してください。
ヨコピーのQ救箱
Q 赤ちゃんのお腹ポッコリ! 大丈夫?
A よく“幼児体型”というように、幼児期のお腹ポッコリはシンボルマーク。お腹は胸のように骨で覆われていないし、腹筋がまだ発達していないので、特に食事の後などはお腹が目立つんだよ。
Q 胸がへこんでいる! 大丈夫?
A これは「漏斗胸」というもので、骨のちょっとした異常。でも肺や心臓を圧迫することもないので心配しないでね。
逆に胸が出ている「鳩胸」や胸中央の骨の下部(剣状突起)が目立っていることなどで相談を受けることもあるけど、いずれも骨の形だけの問題で治療の必要はないよ。
ホームケアアドバイス
「下痢」
下痢は子どもによくみられる症状です。胃腸炎は昔から恐れられてきた病気ですが、便がゆるいということで病院に連れてこられる子どもの多くは、心配のないものです。
●病院に行く前にチェック!
・とてもお腹を痛がったり、血液が混じっている?
細菌性の下痢(O-157、カンピロバクター、サルモネラなど)や腸重積が注意です。
・白色便や水様便、すっぱい臭いがある。
ロタウイルスを始めとするウイルス性胃腸炎を考えます。
・だるそうな感じが強くなった時、息づかいが荒くなってきた時、尿の回数がいちじるしく減ってきた時。
脱水症が心配です。
●ドクターの前で話すポイント
・病院に行く前にチェックした症状(前述)の有無を話す。
・いつから始まったか正確に話す。
・下痢便を持参してみてもらう。
●急いで診察を
・元気がない時。
・機嫌が悪い時。
・顔色や唇の色が悪くなりかけた時。
・おしっこの量や回数が減り、涙が出ず唇が乾く時。
●知っておくとトクすること
・お母さんが明るく接しましょう。(心で心配、お顔は 笑顔)。
・便、臭うものは手早く片付け、処理した後は手洗いをしっかりと。
・衣類等、汚れたらこまめに着替えさせましょう。
・下痢の時、お尻のケアが大切です。便が出るごとに座浴させましょう。石けんをつけて洗いよくすすぎ、おし拭きをして乾燥させるようにしましょう。
◎食事のことについては、こあら通信4号を参考にして下さい。
アンケート結果のご報告
10 月に行ったアンケート調査の集計ができ上がりましたのでご報告いたします(待合室掲示板の集計結果をご参照下さい)。
○院内報について
多数のご意見、大変参考になりました。2000 年1月号から、出来るだけ取り入れていきたいと思います。
乞う、ご期待。
○電話予約サービスについて
なかなか皆様の思い通りにはいかず、苦労されていることがわかりました。質問や疑問に 救箱で追って説明していきます。
○待ち時間について
風邪の流行る季節になり、患者数も増えてきます。ドクター、スタッフ一同、お母さんやお子さんが安心して帰って頂けるよう努力していますが、そのためにも治療上時間を要する場合もありますし、予想外のことが発生することもあります。
予約時間通りに診察できることを第一に考え、待ち時間が長い時は特に気を配りますので、ご理解いただきたいと思います。
○ドクター、スタッフの対応について
ドキッとさせられる意見もあり、反省させられるところもありました。これからもより一層笑顔に磨きをかけ、待っている患者さんの気持ちになった優しい対応を心掛けていきます。
これからも皆様の率直なご意見をよろしくお願いします。