院内報
こあら通信 第199号 November 2014
目次
・思えば遠くへ来たもんだ
・アカシアの木の下で〜病児保育室での一日〜
・ヨコピー講座「咳のホームケア」
・スタッフ紹介 小柴寛子(保育士)
・お知らせ
・編集後記
思えば遠くへ来たもんだ
こあら通信も200号まであと1号に迫りました。小児科の学会仲間が発行していた院内報を見て作り始めたのですが、16年半の年月が流れたことになります。
その時々に感じたこと、考えたことをこのページに書いてきました。私も子育ての真っ最中でしたし、たくさんの子ども達をみて、本当にたくさんのことを勉強させてもらいました。私の三女も来春には大学を卒業して仕事を始めることになり、自分の子育てもそろそろ卒業です。どんな子育てがよいのかといろいろ考えてもきましたが、すべてに当てはまる答えはなかなかみつけられません。ただ、子育ては楽しいものだという気持ちを失わないことが、とっても大切なのではないかと今は思っています。
病気にもいろいろな変化がありました。たとえば突発性発疹は生後6カ月から1歳までの間にかかることが多かったのですが、最近はほとんどのお子さんが1歳過ぎにかかります。RSウイルスやヒトメタニューモウイルスという名前さえ知らなかったウイルスが、今では迅速診断キットで簡単に診断できるようになり、しかもそれがとてもよくある病気であることも判ってきました。でも、それは新しい病気が突如として出てきたわけではなく、本質的には一昔前とそれほど大きな違いはないのかもしれません。病気の名前に振り回されず、子どもそのものをよく診ることが大切なのだと思います。
開業した時には、自分が診た子どもが大きくなって子どもを作り、その子も診察できるようになるまで頑張ろうと思っていましたが、実際にそのような患者さんもかなり増えてきました。親子二代を診察して初めてわかることがあるはずだと思ってきましたが、なかなか新たな発見に至るまでにはなりません。人の営みの奥深さを感じたりするこの頃でもあります。
200号という節目をむかえ、今後どのようにしようかとスタッフで検討しています。印刷されたものを読むことが少なくなった時代に、この通信がどのようなメッセージを伝えられるかも考えなくてはなりません。少し進化したこあら通信をご期待下さい。
アカシアの木の下で〜病児保育室での一日〜
10月のジャンボには咳と鼻水がひどいRSウィルスや、台風の影響もあり喘息のお子様の利用が多く、最近はアデノウィルスのお子様も増えてきました。これから寒さが厳しくなるにつれ、冬の病気が流行り始めます。手洗い、うがいを習慣にしたいですね。今回は、ジャンボではどのように過ごしているか、ご紹介したいと思います。
ジャンボの受け入れはまず保護者の皆様からの聞き取りで始まります。これは病児保育室ではお子様の様子を把握する為に欠かせません。その内容で一日の過ごし方や遊びについて考えることができるのです。
入室後しばらくしてから、午前中の診察に行きます。横田先生や看護師さんに必要な処置をしてもらい、今日一日の過ごし方や気をつけなければいけない事、食事についてのアドバイスを受けます。
診察後は好きな遊びを楽しんだり、保育士とかかわったりして過ごします。ここでは症状が軽く遊ぶ元気のあるお子さんから、ぐったりして辛そうなお子様まで様々です。乳児さんや体調も機嫌も悪く、ほとんど泣いて過ごす子もいますが、抱っこやおんぶをしたり、気分転換にウッドデッキに出てみたり、まずは安心してもらえるよう関わるようにしています。
乳児さんがよく遊んでいるのは小さいボールや、音の鳴る玩具です。小さな手でも掴みやすく、見た目も可愛らしい物を用意しています。又、どの玩具も誤飲につながりそうな物は避けて選びました。 3~6歳になると、パズルや型はめ、レゴブロック、積み木、ままごとなど遊びも広がります。男の子にはプラレールや医院の中待合室にも置いてある、連結した小さな車が左右に下りながら走るクネクネバーンが人気です。これで泣き止むお子様も多いですよ。女の子はお絵描きや折り紙も好きですね。最近アナと雪の女王のパズルを用意したところ、男女問わず歌いながら楽しむ姿があります。
普通の保育園、幼稚園等とは違って異年齢保育になるので、年齢が違っても遊びを共有したり、年上の子が年下の子に玩具を貸してくれたりと、微笑ましい瞬間も多々見られます。
基本的には室内ですが、時には先生から許可を頂いてウッドデッキでワニシーソーや車に乗ったり、大雄山線を見にお散歩に出掛けることもあります。ほんの少し外の空気を吸うだけでも、気分転換になります。 お子様一人一人の年齢や症状、その日の様子に合わせて遊びや玩具を選ぶようにしています。
昼食後は午睡、おやつを食べ、ゆったり遊んだりして過ごしながらお迎えを待ちます。必要に応じて、看護師さんが薬を飲ませ、鼻吸いをします。ジャンボは医院スタッフ全員が連携を取りながら、お子様をお預かりしています。
子どもにとって遊びは切り離せない物です。しかし、私達がお預かりしているのは、体調不良のお子様なので、どんなに楽しくてもテンションが上がり過ぎたり、怪我や事故につながる様なことがない様、配慮しています。
今後も、お子様達が楽しく安心して遊べるような環境を目指して、遊びを提供できたらと思っています。
(土屋:保育士)
ヨコピー講座 「咳のホームケア」
寒くなってくると咳や鼻水の症状で受診される方が増えてきます。咳は気道に入り込んだ細菌やウイルス、それらを退治しようとして気道から分泌された痰を体の外に出そうとする体の反応です。気管支炎などで咳が出ることもありますが、小さな子どもは、鼻水が鼻の穴から出るのではなく、鼻の奥からのどに落ちて咳が出ることが少なくありません。あお向けに寝ると鼻水がのどに下がりやすくなるため、咳は寝ているときのほうが多いのです。家では鼻吸い器でまめに鼻水をとってあげましょう。
咳き込んで吐くこともあるので、食事は無理強いせずのど越しのよいものを少しずつとるようにするとよいです。苦しそうなときはたて抱きにして背中をトントンすると、痰が切れやすくなり、少し楽になります。熱がなければ入浴しても大丈夫です。湯気を吸うと鼻水も出やすくなり、楽になる効果があります。
激しい咳や鼻水は体力を消耗させ、睡眠や食事に影響することがあります。咳や鼻水が出て日常生活に困るようなら受診しましょう。
(井上:看護師)
スタッフ紹介 小柴寛子(保育士)
新しくジャンボスタッフとして仲間入りさせていただきました。現在11歳と6歳になる2人の娘の子育てに奮闘中!現役ママとして、また16年間の幼稚園勤務の経験を活かしながら、お子さん達と楽しく過ごしていきたいと思っています。お子さん達のかわいい笑顔があふれる保育室になるよう頑張っていきますので、これからよろしくお願いいたします。
お知らせ
1.インフルエンザワクチン予約について
11月に入り予約が集中してきました。どうしてもご都合が合わない場合は、受付までご相談ください。
2.ジャンボ教室のご案内
11月より病児保育室「JAMBO!」2階で各教室を開催します。第1弾は河本美恵先生の英会話教室です。詳細は、院内の掲示板のお知らせをご覧下さい。
編集後記
11月は入園の手続きがあります。息子もとうとう幼稚園です。相変わらず電車は好きですが、機械も動物も虫も興味津々。今日は、ミミズを掴んで歓喜の雄叫びをあげていました。「母ちゃんもさわってみな♡」とお誘いを受け、久しぶりに触りました。子どもの世界にとことん付き合いますよ・・・おもしろい事もありますから。200号を機に院内報を新しくしようと計画していますが、皆さんがどんな記事を読みたいのか、どんな情報を得たいのか、アンケートをとらせて頂けますでしょうかm(- -)m 待ち時間にぜひご協力宜しくお願いいたします!