横田小児科医院

院内報

こあら通信 第169号 May 2012

目次

・予防接種の新しい動き
・発達相談室からの風景Q&A編No.12「はじめての集団行動」
・ヨコピーの子ども講座-「おしっこの近い子」〜心因性頻尿〜
・お知らせ
・編集後記

予防接種の新しい動き

桜が終わると同時に、中庭の木がいっせいに芽吹き始めました。毎年のことですが、新緑の勢いには驚かされます。気温もぐんぐん上がってきましたが、まだ寒い日もあるので体調の管理に気をつけてください。

 4月になって予防接種に大きな変化が出てきました。不活化ポリオワクチンが9月に定期接種として導入されることがほぼ決まったのです。秋からは生ワクチンがなくなり、不活化ワクチンだけになりそうです。そこで、今後どのようにポリオワクチンを受けたらよいか、私の意見を書いてみます。

 生ポリオワクチンをすでに1回飲んだ方は、ぜひ9月までに2回目のワクチン(小田原では5-6月の集団接種)を飲んでください。生ポリオワクチンによるポリオ麻痺はほとんど1回目の接種で起こっていて、2回目に起こることは極めてまれです。2回接種すればそれで終了ですが,1回だけで終わってしまうと、不活化ポリオを3回注射しなくてはならないのです。また、この機会を逃すと、定期接種として生ポリオワクチンを飲めなくなる可能性があります。

 まだ一度も接種していない方は、生ポリオの接種を見送り、9月まで待ってもよいと思います。この間に外国から野生ポリオが入ってくる可能性はゼロではありませんが、確率は極めて低いと考えています。

 三種混合にポリオを加えた四種混合ワクチンも始まりますが、これは年末か年始になると思いますので、これから三種混合を受ける方は、3カ月を過ぎたらすぐに接種し、不活化ポリオが始まったら、これを接種してください。9月からは同時接種も可能になると思います。

 別の予防接種ですが、水痘ワクチン、おたふくかぜワクチンの2回接種の必要性が、4月に福岡で開催された日本小児科学会でも話題になっていました。1回の接種では、水痘では30-40%くらい、おたふくかぜでは20%くらいの方がかかってしまいますが、麻しん風しんワクチンのように2回接種すると、ほとんどかからなくなります。水痘は1回目から6-12ヶ月後、おたふくかぜは小学校入学前頃がよいとされています。外国では2回接種が常識となっていますので、ぜひ検討してください。

発達相談室からの風景 No.12「はじめての集団行動」

Q. 集団行動ができないと言われました

A. ご入園・ご入学から1か月。大丈夫かな、とドキドキしていた新米ママも、子どもを毎朝「いってらっしゃい」と送りだす生活に慣れてきたころですね。最初は緊張していた子どもたちも、自分のクラスや友達、担任の先生にも、園・学校生活の日課にも、なじんできたころでしょう。

 でも、参観日に行ってみると、わが子だけ椅子に座らず床に寝転がって絵本を見ている。教室や園・学校から飛び出してしまったと、しょっちゅう家に電話がある。家庭訪問で、4月からの友達とのトラブルの様子をいろいろ聞かされて冷や汗。逆に、家では変わった様子はないのに、学校では一言もしゃべらないと聞いて、心底びっくり、という保護者の方もいらっしゃることでしょう。

 新しく担任になった先生方も、どんな子どもたちだろうと(お母さんや子どもたちと同じようにドキドキわくわくしながら)4月をむかえ、一人一人に細心の注意をはらいつつクラス運営を始めます。10人~30人いれば本当にいろんな子がいて、中にはどうしても見通しが持てず混乱してしまう子や、集団行動からはみ出してしまう子が出てきます。

 はじめての集団生活を経験する子どもにとって、これまでずっと一緒にいた家族と離れ、常に自分のやりたい事ばかりができる訳ではない「集団生活」にとまどうのは当然のこと。たくさん人がいて、大きな声が飛びかっていて、何が何だか分からない。うちにはないおもちゃでもっともっと遊んでいたいのに、「片づける時間」と言われる。自分の興味がない事でも「これをやりなさい」と言われる。

 それを、たとえ最初は訳が分からなくても、毎日の日課の中で、担任の先生の言われることや、友達の様子を見ながら過ごしているうちに、「楽しい」「面白い」ことがたくさんある事に気付き、見通しを持って落ち着いて皆と生活していけるようになるのです。子どもって、なんてたくましくて、適応力があるんだろうと思います。ただし、その適応力も、個人差は非常に激しく、クラスの状況や担任の先生との関係によっては、時間がかかったり、一工夫が必要だったりすることがあるのです。対応の方法は子どもと周りの状況によって違います。

まずは担任とゆっくり面談できる時間をとったり、実際に園や学校での様子を見せてもらって、親の知らない、集団での子どもの様子を把握しましょう。そしてこれまでに、保健センターの相談や専門機関にかかっていれば、小さい時の経緯を知っている先生に相談しましょう。

学校であれば、スクールカウンセラーへの相談や、教育相談を受けることができます。クラスでの対応方法を一緒に考えてくれます。また、「コミュニケーションの教室」と言われるような、集団生活で必要なソーシャルスキルを、小グループで学ぶことができる通級教室がある場合があります。お子さんが通っている学校や教育委員会で、問い合わせてみて下さいね

ヨコピーの子ども講座-「おしっこの近い子」〜心因性頻尿〜

 おしっこが近くて心配になりますが、病院で検査をしても問題はありません。遊びに夢中のときや、寝ているときは何でもないのに、日中、頻繁にトイレに行きたがるのは何故でしょう?

 心因性頻尿とは、精神的な理由でおしっこが近くなることを言います。皆さんも一度は、経験があるのではないでしょうか? 環境の変化や緊張する行事(運動会・発表会)などが近づくにつれ頻繁にトイレに行きたくなったりします。トイレに行って用を足すというより、自分の気持ちを落ち着かせていることが多いのです。周りからすれば、「またトイレなの?」と言ってしまいがちですが、何も言わずに見守ってあげましょう。行事が終わったり、環境に慣れたりすれば知らないうちに治っていることがほとんどです。ただ排尿する時の痛みや、排尿後におしっこが残っているような感じがあるようなときは、早めの受診をお勧めします。

お知らせ

1.水痘ワクチン、おたふくワクチンの2回目接種について

水痘(水ぼうそう)ワクチン

1回目・・・接種時期 1歳を過ぎたら
費用:9,000円 

2回目・・・接種時期 1回目より6カ月〜1年後に接種
費用:7,500円

※ 2回目の料金は、当医院にて1回目接種をした方のみです。
(他医院にて1回目接種された方は9,000円になります。)

おたふくかぜワクチン

1回目・・・接種時期 1歳を過ぎたら
費用:6,000円

2回目・・・接種時期 5〜6歳の就学前(2期麻しん風しんと同時接種可)
費用:6,000円 


2.お子さんの笑顔写真を撮らせてください!

今年の学会で、お子さんの笑顔の写真を展示しようと計画しています。来院時に撮影をお願いすることがあります。ご協力よろしくお願いいたします。

3.6月開始第4回「ペアレント・トレーニング」実施のご案内

発達障害があるお子さんの保護者を対象に、心理相談の小倉先生/杉崎先生が、子育ての為のトレーニングを実施します。日程・費用など、詳細は受付までお問い合わせください。※定員に限りがありますのでお早めに。

編集後記

先日、ベランダを眺めていたら、ツバメが2羽やってきました。巣作りの為の家探し?だとしたら楽しみです。医院の1階にも、ツバメ達がやってきました。頭がちょこっと見えるあたり、卵をあたためているのでしょうか?無事、巣立ちを迎えてほしいです。※巣は2カ所あります。糞にお気をつけください。(^^;)さて、新しい生活が始まってから1ヶ月が経ちました。窓を開けていると、外で遊ぶ元気な子ども達の声が聞こえて、新生活の疲れはないようですね。新緑の美しい季節です。外で思いっきり遊んでほしいですね。

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〒250-0051
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