横田小児科医院

院内報

こあら通信 第152号 December 2010

目次

・落ち葉
・動物のお医者さんに聞く「ペットと暮らす」?イヌとネコとヒトと?
・「誤飲」
・お知らせ
・編集後記

落ち葉

 急に寒さがやって来たためか、木々は例年になく鮮やかな紅葉をみせています。箱根への行楽客も多く、小田原駅周辺も賑わっているように感じます。クリニックの窓から見える我が家のケヤキもびっくりするほどの黄色い葉っぱを毎日落としています。先日久しぶりに武蔵野丘陵へゴルフに出かけたのですが、大きな木の根元に山のように落ち葉がたまっているのを見て、いろいろな思いを抱かされました。

 落ち葉を見ると何となく物悲しい気持ちになるものですが、今年はあまりに見事な落ち葉にちょっと感じることがあります。葉が落ちることはその葉にとっては生の終りを意味しますが、落ちて朽ち果てることにより、腐葉土となって虫を育て、森の水分を保ち、木々に吸収されて木や森の栄養となることは誰でも知っています。

 もし葉っぱが落ちなかったら、木はどうなるでしょう。鮮やかな新緑を見ることもできないでしょうし、燃えるような紅葉を見ることもできません。生きているものが生を終えることによって初めて新しい命が生まれることができるという当たり前のことを、今年の見事な落ち葉が教えてくれたような気がします。

 人間も同じです。昔の王様が不老不死の薬を求めて世界中を探し回ったという話がありますが、人間が死ななくなったら新しい命も生まれることはできなくなります。人間が年をとって亡くなることによって、初めて新しく子どもが産まれてこられるのですね。だからこそ子どもが産まれることは大きな喜びであり、子どもは命を繋げていくためにかけがえのないものなのだと思います。

 それなのに子どもとしての当然の権利が守られずにいたり、実の親から虐待を受けている子どもなどが少なくありません。子どもたちを病気から守るだけでなく、健全な心を持った人間に育てることにもっと力を注がなくてはいけないことに気付かされた今年の秋でした。

 我が家にも11月末に孫が誕生しました。人生も後半戦に入っているためか、自分の子どもが産まれた時以上に「生まれてきてくれてありがとう」という気持ちを強く感じます。今年もあとわずか・・どうか良いお年を。

動物のお医者さんに聞く「ペットと暮らす」?イヌとネコとヒトと?

「イヌとの出会い」

 ヒトがイヌと暮らし始めたのは、今から2万年前と言われています。イヌは狩りのために巣を留守にすることがあるので、残った幼いイヌをヒトが捕まえるのは容易です。

 捕まえてきたイヌは、ヒト自身の狩りの相棒として、あるいは、他の動物から襲われないための用心棒として育てたのでしょう。イヌはヒトの狩りのおこぼれをもらえたので、一緒に暮らすことには、双方にメリットがありました。

 地殻変動で大陸から完全に離れ、現在とほぼ同じ形になった日本列島においても、氷河期が去った後の縄文時代の遺跡から、ヒトがイヌと一緒に暮らしていたことを示すものが出土しています。

「ネコとの出会い」

 ネコは、約4000年前のエジプトで初めてヒトと一緒に暮らすようになりました。エジプトではナイル川の恵みを受けて穀物が豊かに実ります。

 エジプトは、ピラミッドに見られるような巨大王朝に富が集中する文明でしたので、収穫された穀物は、王朝の穀物倉庫に大量に集められました。穀物は保管している間にネズミの食害を被りやすいので、倉庫番が必要となります。

 ネコは肉食で、ネズミを捕まえるけれど穀物は食べないので、倉庫番に採用され、ヒトと一緒に暮らすことになったのです。ネコは王朝から大切にされ、王と一緒に墓に葬られることもありました。

 日本においても、大陸から伝来した文字を使うようになってから数世紀しかたたない頃の文章に、ヒトがネコと一緒に暮らしたことが分かる記述が見られます。

 このように世界のあちこちで、ヒトは、イヌやネコという食用にするわけではない動物と一緒に暮らし始め、それによって互いに満足を得ていたのです。

 時代は下って、現在のわが国の多くの家庭では、狩りや穀物倉庫などとは無縁で、友人や家族としてイヌやネコと一緒に暮らすという場合がほとんどです。ヒトとイヌ、ネコは互いに友情や愛情を抱き、そこに満足を見出しています。

 かたちは変わっても、一緒に暮らすことによって互いに満足を得るという互恵関係は、当初から一貫しているのです。したがって、イヌ、ネコとうまく暮らすには、互恵関係を壊さないようにすることが大事だろうと思います。

 そのために、まずは、イヌ、ネコの動物としての性質を知ることが必要でしょう。イヌ、ネコは、われわれヒトと同じ哺乳類の仲間ですから、共通点も多いですが、異なる点も多々あります。

次回はこうしたことについて述べていこうと思います。

協力:あおのペットクリニック
木村 先生著/院長青野浩之先生

 あおのペットクリニックは、横田小児科から小田原方面斜め向かい(約1km先ですが)にあります。青野先生には静かながら熱いものを感じます。今回は、日頃相撲で鍛えていらっしゃる(?!)木村先生にお願いしました。

「誤飲」

 0から6歳くらいの子どもに多い事故の一つに「誤飲」があげられます。特に0歳の赤ちゃんが誤飲しやすく、年齢と共に誤飲することは少なくなりますが、小学生でも起こす事がありますので注意しましょう。
 赤ちゃんは、指先が器用になる7~8ヶ月頃から多くなります。この月齢の赤ちゃんは、手にしたものを何でも口に入れてしまうためです。自宅で多いのが身近にあるタバコや薬・化粧品・洗剤、ボタン電池などを飲み込んでしまうケースです。最近では、お母さんの身に付けているアクセサリー、兄弟のおもちゃ、お金(硬貨)など飲み込んでしまった問い合わせもありました。大人が危険とは思わない意外な物を誤って飲みこみます。事故が起こらないためご家庭で出来る事は、危険なものは子どもの手の届かない所に置くこと、喉につまりやすい食べ物(例えばピーナッツ・コンニャクゼリー・プチトマト・チーズ)は避けることがあげられます。39mm以下のものは誤飲しやすいと言われています。(大人の指で作るOKサインがその大きさです)自宅での事故を防ぐため、大掃除しながらみんなで誤飲しやすいものがないか確認してみましょう。

お知らせ

1. 12月4日横田先生がテレビに出演

BS朝日 鳥越俊太郎「医療の現場」18:00‐18:30放送
テーマは、インフルエンザです。興味ある方はぜひご覧下さい。

2. 年末年始休診のご案内

12月28日(火)午後?1月5日(水)まで休診とさせて頂きます。
休診の間は、休日診療所又は他の医療機関をご利用下さい。

3.車で来院される皆様へ

線路側の広い駐車場をご利用になる際、場所をよくご確認下さい。
近隣の方が利用されている場所には決して停めないで下さい。ご不便おかけしますが、駐車できない時は事務までご連絡下さい。受付を先にしておきます。あわてずに、駐車してからゆっくりお越し下さい。

編集後記

今年1年の院内報をたどると、新型インフルエンザ、子宮頸がん(接種しました!)肺炎球菌など、予防接種情報でにぎわっていましたね。9月で終了したほたるだ歯科医院さんの連載も読み応えがありました。「スペシャリストに聞く」第2弾は、あおのペットクリニックのシャイな木村先生にお願いいたしました。こちらもお楽しみに。 診療予定に「???」なコマが一つ・・恐縮です・・・結婚しました。

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