院内報
こあら通信 第149号 September 2010
目次
・戦争
・ほたるだファミリーわははは歯
・「歯が抜けた!」
・ヨコピーのこども講座-「鼻血」
・お知らせ
・編集後記
戦争
8月は65回目の終戦記念日の月で新聞やテレビは戦争の話題でいっぱいでした。父の実家である東京深川に住んでいた叔母からは、東京大空襲の中を逃げ惑い隅田川に飛び込んで助かった話を何回も聴かされました。その頃渋谷方面に住んでいた母からは、下町が空襲で赤くきれいに燃えていた話を聴きました。広島の平和記念資料館や鹿児島の知覧特攻平和会館も訪問しましたが、実際に戦争を体験した人たちの話は、思わず身を乗り出して聞き入ってしまう迫力があります。
夏休みにクロアチア、モンテネグロへ旅行に出かけました。アドリア海の真珠と言われる世界遺産のドブロクニクを訪れた際に、ドブロクニクで唯一の日本人女性にガイドをお願いしました。彼女は現地の方と結婚していて、3人のお子さんがいます。クロアチア、モンテネグロ、セルビアなどはユーゴスラビアという一つの国でしたが、クロアチアは1991年に独立を宣言しました。しかし、クロアチア国内に残留したセルビア人をめぐる問題で、クロアチアとユーゴスラビア連邦軍(主にセルビア軍)の戦争に発展したのです。彼女が住んでいたこのドブロクニクもセルビア軍から攻撃を受け、最初の1週間はシェルターの中で身を潜めていたのだそうです。その後少し攻撃が休止になったときにドブロクニクを抜け出し、たまたま出会った国連の救助船に乗ることができ、国外へ脱出することができたそうです。その後も戦争は1995年まで続き、一家はしばらく日本に避難して、子どもたちも日本の学校へ通い、政情が落ち着いてから帰国したのでした。
私がこのクリニックを始めた頃にまだ戦争が行われていたという事実、数々の経験から戦争がどれだけ悲惨なものであるかを知っているのに、再び戦争を始めてしまうという事実に、改めて驚きを感じました。このときの戦争の責任が、いまだにハーグの国際司法裁判所で審議されていて、クロアチアからは英雄と尊敬されている将軍が、隣国からは戦犯として訴追されているそうです。今でも世界の所々で戦争が続いていますが、彼女から戦争の体験を聴いて、戦争の虚しさを感じずにはいられませんでした。
ほたるだファミリーわははは歯
「歯が抜けた!」
歯が抜けた!
歯のケガのうち、最も迅速な対応を要します(30分以内なら成功率は高く、2時間を経過すると成功率は下がります。)抜けた歯を持って歯科医院へ行きましょう。持っていくまでのポイントは、①乾燥させない。②冷たい牛乳に浸ける。③ゴシゴシと洗わない。④落ち着いてひと呼吸、決してあきらめないこと!以上はとても大切なことです。
歯が抜けた!ここからは「+α」です。冷たい牛乳の変わりに、生理食塩液はいいでしょう。コンタクトレンズの保存液(洗浄剤の入っていないもの)でも可能です。それもなくて、すぐに受診可能ならラップに包んで持参してください。
歯が折れた!
折れた破片を持って、できるだけ早く歯科医院へいきましょう。折れ方にもよりますが、歯髄(歯の神経)に及んでいる場合でも、歯髄の保護を行って、自分の歯の破片をくっつけることもありますよ。
健診は受けた方がよいのはなぜ?
①お口の中の異常(むし歯の有無、歯ぐき、舌、粘膜、歯の生え方、生えかわりの時期など)の早期発見、早期管理のため。
②ハミガキなどのセルフケアが出来ているかどうかを確認してもらって、あなたのお口にあった正しい歯ブラシ法やおやつの食べ方、効果的、効率的なカリエスリスクの管理方法を教えてもらえます。
③セルフケアでどうしても磨き残しになる所を、歯科衛生士のプロフェッショナルケアで掃除してもらい、ツルツル気持ちよくなります。
また、歯科医院での定期健診を早くから受けていると歯科医院に行く事が習慣化して、「歯医者さん=痛いところ,こわいところ」ではなく、「歯医者さん=楽しんで歯ブラシの練習をするところ、お口のお掃除をするところ、こわくないところ」というイメージができて、歯科医院が嫌いでなくなるはずです。ぜひ、市町村の健診はもちろん、歯科医院での定期健診を受けてくださいね!歯医者さんからのお願いです。
最後に・・
予防歯科をしっかりして、むし歯のリスクを減らし、お口の健康を維持して、「歯医者さんは楽しいところ」と思っていただけるよう、歯科医師、歯科衛生士、クリニカルコーディネータ、チーム一丸となって、日々の診療に取り組んでいます。
4月号から9月号までの6ヶ月の間、こあら通信に掲載させていただきありがとうございました。乳児健診でいただいた保護者の方からのご質問、横田小児科スタッフの方からのご質問に「チームほたるだ」(ほたるだ歯科医院スタッフ)、一同で答えさせていただきました。この掲載が皆様のお役に立てますよう願っております。ナイスミートユーぜよ!ALOHAな毎日をお過ごしくださいね!
協力:ほたるだ歯科医院
山下伸司先生&長尾紀代子先生(矯正専門医)&歯科衛生士の皆さん
ヨコピーのこども講座-「鼻血」
子どもの鼻出血は、左右の鼻の穴を仕切っている鼻中隔の入口付近からの出血が多いのです。風邪を引いて粘膜が充血している時に、鼻をいじったり、強く鼻をかんだりする事で粘膜に傷がつき出血してしまいます。一度出血すると鼻の中にかさぶたができ、一旦治まってもまたかさぶたが剥がれ出血を繰り返します。1~2週間は出血しやすい状態です。鼻血が出たら、まず慌てず小鼻(鼻の入口に近い部分)を両側からつまんで出血が止まるのを待ちます(10分くらい)。その時に、体を横にさせたりせず、座らせた状態にしましょう。寝かせると血液が喉に垂れ込み、嘔吐してしまうことがあります。もし口の中に血液がまわってしまった時は飲み込ませず、ティッシュなどに吐き出させるようにします。ほとんどの出血は上記の方法で止まりますので、そのまま様子を見てください。ただし出血が20~30分たっても止まらない時は、速やかに受診しましょう。
お知らせ
インフルエンザワクチン予約開始
今年は、新型インフルエンザA型、A香港型、B型の3つが混合されているワクチンです。8月31日(火)午後21時より、インターネット先行予約となります。電話にて希望の方は、9月3日(金)より受付いたします。
接種対象者:喘息がある方、受験を控えている方、集団生活をしている方、6才未満のお子さんがいるご家族(6ヶ月未満のお子さんには接種できません)
※ 6ヶ月以上?1才未満のお子さんには積極的に勧めていません(ご希望の方は接種できます)。ワクチンを接種しても抗体がつきにくく、感染しても重症化しないことが多いからです。
接種回数:
① 1才?12才(小学校6年生まで)は2回接種。1回目と2回目の間隔は、
最低1週間あけて下さい。2?3週間あけるとより効果的です。
② 13才(中学生)以上は1回接種。
料金:8月末現在未定です(決まりしだいお知らせします)
ご注意下さい:
① 保護者の方も事前にご予約下さい。インターネット予約の「新患登録」から予約もできます。パソコン、携帯をお持ちでない方は、受付までご連絡下さい。当日接種はお受けできませんのでご了承下さい。
② 12才以下のお子さんは2回接種です。予約は2回分おとり下さい。
編集後記
ヒブワクチン入荷のご連絡がようやく追いつきました。8月19日までにワクチン待ちの登録をされた方にご連絡差し上げました。まだ連絡をもらっていない、という方がいらっしゃいましたら、お手数ですが、当医院までお問い合わせ下さい。宜しくお願い致します。さて、今月でほたるだ歯科医院さんご協力の「わははは歯」が終わりました。いかがでしたか?ご感想、ご意見ありましたら是非お聞かせ下さい。