院内報
こあら通信 第147号 July 2010
目次
・夏カゼ
・ほたるだファミリーわははは歯
・「ススメ!ハミガキ」
・ヨコピーのこども講座-「とびひ(伝染性膿痂疹)」
・お知らせ
・編集後記
夏カゼ
サッカーワールドカップの人気で参議院議員選挙もかすんでしまいそうなこの頃です。昨年の今ごろは新型インフルエンザが増え始め、戦々恐々としていました。今年は一部の大学などで散発的な集団発生があるものの、昨年のような流行のきざしはまだありません。
それに代わって流行しているのが夏カゼです。夏カゼは咳や鼻水が少なく、突然の発熱、発疹、嘔吐や腹痛、頭痛などの症状が中心です。エンテロウイルス属というウイルスの一群が原因となることが多く、エンテロという名前のとおり、消化管の中で増殖するウイルスです。
突然の発熱で始まり、すぐに解熱してのどに潰瘍を作るヘルパンギーナ、手足の発疹と口内炎が主症状の手足口病、扁桃腺が腫れて白い膿が付くアデノウイルス感染症などが主なもので、今年はヘルパンギーナが多いように感じます。また、発疹だけが症状というものもあります。
原因となるウイルスは唾液の中や便の中に長期間出ていて、感染していても症状の少ない子どもも多いので、集団生活の中で感染を予防するのは容易ではありません。しかし、大きな合併症も少ない病気なので神経質になりすぎないことも大事です。よく「大人にもかかりますか」と質問されるのですが、大人だからかからない病気はありません。ただ、大人になるまでの過程で何度か夏カゼに感染していることが多く免疫を持っているので、大人が発病することは少ないのです。
夏カゼに特効薬はありません。解熱剤を使うことはありますが、咳鼻水もほとんどないので、いわゆるかぜ薬も出番がありません。中耳炎や副鼻腔炎などの合併症もほとんどありません。のどの痛みをやわらげる食事を摂る、過ごしやすい環境を作るなどの対症療法がとても大切で、実のところこれは冬のカゼについてもまったく同じなのです。夏カゼはカゼの治療を考える上で、良い機会を与えてくれています。
親戚の法事で、お坊さんから「人生にロスタイムはありません」と教わりました。時間を大切に、そして有意義に過ごしたいものです。夏休みには、子どもたちにぜひ「ほんもの」の体験をさせてあげてください。
ほたるだファミリーわははは歯
「ススメ!ハミガキ」
正しい歯磨き、歯ブラシの選び方教えて!
乳幼児のハミガキは「仕上げ磨き」が大切です。お子様だけのハミガキでは、奥歯や,すきまに磨き残しが起こりやすいのです。お子様をお母様の足で挟み込むようにして「寝かせみがき」しましょう。
座ったまま、立ったままでは、頭が不安定で、口の中もよく見えませんね。糸ようじやデンタルフロスを、上下左右の奥歯の4カ所にしてあげると効果的でしょう。うがいができるのであれば、「フッ素入りハミガキ剤」を使用して下さい。歯ブラシの選び方は、「乳幼児用」で、ヘッドは小さめで、ストレートタイプ。毛束は3列タイプ、毛は普通の硬さ。1ヶ月に1本の割合で新しいのと交換するとよいでしょう。
歯ブラシを嫌がる子は?
子育て奮闘中のお母様の悩みのひとつと思います。お子様を歯磨き好きにするには、歯磨きは楽しい事だとお子様が体感する事が大切です。「やまピーマジック」公開しますね。
作戦1 お母様自身が楽しくはハミガキをする姿を見せてあげる。
作戦2 初めは、一番柔らかいハブラシで、とにかく気持ちよくを心がけて!
作戦3 痛くしない。特に上唇小帯(上くちびると歯ぐきとをつないでいる「すじ」)が痛くなる事が多いので、そこに歯ブラシが直接当たらないように注意して磨いてあげて下さい。
作戦4「オレンジ、イチゴ、メロン、ブドウの味のハミガキ剤、日をかえ品をかえ作戦」
作戦5「仕上げはお母さん~♪」を歌いながら。
作戦6 それぞれのお子様にあった愛情あるお母様ご自身のオリジナルな秘密の作戦。
p.s「愛情あるオリジナルな秘密の作戦」 これは!というのがあれば、ぼくにもこっそり教えて下さい。
フッ素は必要?
歯の表面は、ミネラルが溶け出す脱灰とミネラルが歯に戻る再石灰化を繰 り返しています。フッ素は、脱灰をおさえ、再石灰化を促進して、むし歯の発生や進行を防ぐ役割をしています。歯科医院では、定期健診時、歯科衛生士によるプロフェッショナルケアーでピカピカになった歯へ、高濃度のフッ素塗布が効果的です。家庭では、歯磨きの時に、フッ素入り歯磨き剤、フッ素洗口剤、フッ素スプレーなどの使用をおすすめします。フッ素入り歯磨き剤、フッ素洗口剤は、「クチュクチュうがい」ができるようになったら。うがいが難しい場合、使用量は少なくてかまいません。濃度の薄いフッ素スプレーは、それよりも小さいお子様でも可能です。ハミガキの後、特に寝る前、ごく薄い濃度のフッ素が口腔内に残っていることがポイントです。
協力:ほたるだ歯科医院
山下伸司先生&歯科衛生士の皆さん
ヨコピーのこども講座-「とびひ(伝染性膿痂疹)」
梅雨があけていよいよ夏本番。海や山へお出かけ、外での活動も多くなるこの時期、気をつけたいお肌のトラブルは「とびひ」です。湿疹や切り傷、虫刺されなどをかきこわし、ジクジクしたり、体のあちこちに広がって困ったという経験はありませんか?これはかきこわした傷口に、ブドウ球菌や連鎖球菌といったばい菌が感染して起こした「とびひ」というものです。
始めは小さな水ぶくれができ、中に膿がたまってくることもあります。この水ぶくれが破れた時に、液が他の皮膚につくとそこにまた同じ皮疹ができます。夏に多く、赤ちゃんから小学生までよくかかります。菌が原因なので抗生物質を内服したり、塗ったりします。水疱が乾くまでは、入浴をひかえ、シャワーにし、タオルも別にしましょう。
かさぶたがとれてきて、きれいになるまではプールはひかえ、他の人への感染予防をしましょう。あせもや湿疹、虫刺されをかきこわさないよう注意し、皮膚を清潔に保つこと、手洗いをよくし、爪を短く切ることも大切です。
お知らせ
1.ヒブワクチン連絡状況
6月末現在、今年1月に登録された方にご連絡しています。お留守の場合は、留守電にメッセージを入れております。ご確認の程お願いいたします。
2.私達と一緒に働いてくれる看護士さん募集!
横田先生と一緒に働いてみたい!小児科で働いてみたい!子育て中だけど働きたい!という看護士さん、またはそんな耳寄り情報をお持ちの方は、是非ご連絡下さい。一同心よりお待ちしております。
編集後記
おたふく終息傾向・・胃腸炎以前流行?・・ヘルパンギーナ活発に活動中ですが、いつも混んでいるという噂の横田小児科医院も最近はそれほど混んでいない様子です・・。さて、今年も七夕飾りを作りました。昨年の勢いはどこにいったのか・・・随分こじんまりとしていますが、お願いごとがあったら書いてみて下さいね。皆さんのお願いごと、楽しみにしています。皆さん、元気で仲良く暮らせますように・・と私達もお願いしていますよ。