院内報
こあら通信 第13号 MAY 1999
目次
・「遊び」を大切に
・ホ-ムケア・アドバイス
・中毒110番
・予防接種どうしの間隔
創刊1周年-「遊び」を大切に
五月がやってきました。こあら通信が始まって1年、新しいクリニックになって2年が経ったわけです。小田原へ帰ってきて6年、最初に診た赤ちゃん達が小学校に入るようになりました。長かったような、短かったような不思議な気持ちです。
子どもが育つうえで大切だと思うことを連続して書いてきました。今回は「遊び」です。大人の感覚からすると、遊びは余暇というイメージが強くなってしまいますが、子どもにとって遊びは生活そのものです。遊びの中で子どもはいろいろなことを学んだり、覚えたりしていきます。
こう書くと、しっかり遊ばせなくては・・と思ってしまいがちですが、何の目的もなく、自由にそれ自体を楽しむことこそが遊びなのです。他の人から強要されたり、目的があったりするのは遊びではありません。大人はこのことを忘れてしまいがちです。
子どもを本当の意味で遊ばせるためには、子どもの自主的な遊びをできるだけ見守ってあげること、一緒に遊ぶときには大人自身が心から楽しむことが大切です。
小児科医として子どもを見てきて、また自分の子どもを育ててみて、遊びの大切さを感じています。こあらの絵を描いている私の3番目の娘に「遊」という名前を付けたのもこんな気持ちからです。遊ぶという言葉の中には「人生を楽しむ」という意味があると思います。遊びが大切なのは子どもに限ったことではありません。大人の私たちこそが、遊びの意味をもう一度考えてみる必要があるように思います。
ホ-ムケア・アドバイス 『 誤飲・誤嚥 』
●落ちついて確認を
誤って思いがけないものを飲んだり食べたりすると、母親は動転しますが、まず落ちついて、様子や周りの状況を観察して下さい。そして、飲んだ(食べた)物は何か、量はどのくらいかを確かめることが大事です。ちょっとかじった程度、なめただけということもよくあります。
●吐かせる、吐かせないの判断を
誤飲の基本的な処置は吐かせることですが、石油類、強酸性、アルカリ性のものを飲んだ時は吐かせてはいけません。一度胃に入ったものが気道に入ると、肺炎を起こしたり、食道やのどの粘膜をいためます。
●吐かせ方のコツ
気づいた時点でなるべく早く水を飲ませます。それからのどの奥に指を突っ込んで、舌の奥を押し下げるようにします。物がつかえた時は逆さに抱き背中の中央を強くたたいて出します。
●判断に迷ったら中毒 番
危険な物・様子をみてもよい物の判断がつかない時は中毒 番に電話をして処置を尋ねて下さい。
●あわてる前に予防が大切
フィルムケースに入る大きさの物は、赤ちゃんの口にも入ってしまいます。小さな物、危険な物は手の届かない高い所に置くようにしましょう。また一歳前後の子には、豆類、チューインガムなどは気道につめて窒息することがあるので、与えないように。
中毒110番
年中無休、24時間体制で誤飲の緊急事態に回答、指導してくれます。
電話では、いつ、何を(商品名)、どのくらい飲んだかをはっきり言うことが大切です。
●つくば中毒110番 0298-52-9999
●大阪中毒110番 06-6451-9999
● 神奈川県医師会中毒相談室 045-262-4199
とりあえず様子を見る
口紅
べビーオイル
シリカゲル
蚊取りマット
体温計の水銀
石けん
歯みがき剤
なめた程度(1cc未満)なら様子を見る
化粧水
靴クリーム
シャンプー
タバコ(2cm未満)
洗濯用洗剤
シャボン玉液
肥料
ただちに病院へ
トイレ用洗剤
ボタン型電池
しょうのう
ナフタリン
殺虫剤
除草剤
医薬品
予防接種どうしの間隔
予防接種を受けて次に受けるまでどの位あけたらいいか知っていますか。その効果および安全性の為に時期をあけなくてはならないのですが、接種間隔は予防接種の種類によって違ってきます。