院内報
こあら通信 第105号 2007 January
目次
・家族
・ジオくんのお薬教室
・ヨコピーの子育て知恵袋
・お知らせ
・編集後記
家族
新しい年を迎えます。皆さまの家庭では、家族全員がそろってお正月を過ごすことができるでしょうか。我が家では昨年から長女が医師として働き始め、家族全員がいっしょに過ごす時間がほとんどなくなりました。自分が独立して家から出るときには考えもしなかったことですが、お正月には全員がそろっているという、当たり前だったことがそうではなくなるのは寂しいものです。
今思うと子どもたちが小さかった頃、家族いっしょの時間が永遠に続くように感じていました。しかし、それにも終わりがあることを実感します。子どもは成長して独立し、新しい家族を作っていくのですから仕方のないことです。また、そうならなくては困ることでもあります。
昨年はいじめの問題が大きな話題になり、親にも相談できない子どもたちの実態が取り上げられていました。家族はどんな人にとっても一番の心の支えとなるべきところです。家族の力が強ければ、解決できる問題もたくさんあるはずです。いじめ対策として誰か他に相談できる人や機関を作ることだけでなく、家族の力を取り戻すことがまず必要な
のではないかと感じています。
「ラチとライオン」という皆さんもご存知の絵本の名作があります。気の弱い男の子であるラチが、憧れていたライオンの特訓を受けて心身ともに成長していく物語ですが、家族はまさにこの絵本のライオンの役を担うものです。家族の中で力をつけ、子どもは社会に出てゆきます。日本の中で家族の力が弱まっていることが、子どもたちにいろいろな問題を生んでいるように感じてなりません。親子のあり方、夫婦のあり方、家での過ごし方、社会との関わり合い方など、もう一度家族を見直すことがぜひとも必要になっています。かけがえのない家族の時間も、後から振り返るとあっという間です。子どもがいる今しかないのです。「もったいない」と思いながら、家族生活を楽しんでほしいと思います。
今年も皆さまにとって良い年になることを願っています。
ジオくんのお薬教室
皆さんこんにちは!ジオくんのお薬教室です。前回は粉薬についてお話をしましたが、
参考になりましたか? 今回はシロップ剤(水薬)です。
1)補助具を使う
注射器やスポイトで一回分の薬を吸い取ります。これを舌のやや奥のほうに入れてすぐに飲み物を与えます。乳児の場合、ミルクや母乳でもかまいません。このとき、寝かせたまま、あげるのは、やめてください。大人でも寝たまま何かを飲むとむせるでしょう。飲むのに慣れてない子にも苦痛だと思います。
2)何かを混ぜる
・ガムシロップ、コーヒーフレッシュ、濃いカルピス、濃いココア、ヤクルト、カレーシチュー、味噌汁、各種ジュース、ヨーグルト、牛乳等、好きなものに混ぜてください。ただし、混ぜておいしくなるわけではないので、混ぜたもの自体、嫌いになるかもしれないのでご注意を。
・粉状の食品(粉ミルク、クリープ等、小麦粉、きな粉)をシロップ剤に混ぜて硬め、ペースト状にします。それを食べさせるか、上あごに付けるかして飲ませます。この方法は量が多くなるのが欠点です。これで飲めるなら、粉薬に変えてもらったほうが良いでしょう。
3)シャーベットにする
一回分を凍らして少しずつ食べさせます。冷たくなると舌が麻痺し味が分かりにくくなります。凍らせるときにガムシロップや、牛乳を混ぜるとさらに苦味が抑えられます。ただし、凍らせたといっても長期保存は出来ません。日数分で飲みきるようにしください。
4)食品にしみこませる
パンやカステラにしみこませて食べさせます。あまり時間がかからないように手早くするのが良いでしょう。しみこませる物は食べきれる量にしてください。
5)その他
ヤクルトのふたをきれいに半分位あけて少量、捨てます。それに一回量の薬を入れて蓋を元に戻し、まるで薬の入ってないヤクルトのように飲ませます。小さな紙パックのリンゴジュースをどうにか減らして薬を注入しストローをさして何事もなかったように飲ませます。もちろん、一本飲めない子には使えません。のどが渇いているときに飲ませると効果的。混ぜるところは見られないようにしてください。
飲めなかった薬が飲めるようになり、ほめられると、うれしくなって、薬が好きになってしまう場合があります。そのとき注意しなければならないのが、薬の一気飲みです。子供が簡単にとれる所には、保管しないようにご注意ください。
今回はこの辺で終わりますワン!
ヨコピーの子育て知恵袋
<乳幼児の歯ぎしり>
歯ぎしりというと、乳歯の生えそろった3歳前後から始まる現象と想像しがちですが、実はこれよりずっと早く始まることが多いようです。歯ぎしりは覚醒時にも起こりますが、いちばん起こりやすいのは睡眠中です。しかも、たいていは寝返りや手足を動かしているときなど、なんらかの身体運動を伴っている場合が多いということです。
ある調査の結果では、多い人では1晩150回以上、少ない人でも24回程度あったということです。原因についてはよくわかっていませんが、「くせ」、「遺伝」などと報告されています。歯ぎしりが歯や歯肉に大きな障害を残すことはないので、特別な治療は不要ですが、あまりに激しい場合は対応策を考える必要があるかもしれません。
お知らせ
1.発達相談に吉川先生が加わります。
今月から発達相談に吉川麗(よしかわれい)先生が加わることになりました。吉川先生は小倉先生と同様、こどもの心理発達と育児上の相談について担当されます。毎週月曜日の午後1時30分から5時まで(最大3名)の相談をお受けします。最近、小倉先生の午後の予約が混雑して取りにくい状況だったのが改善されるのではないかと思います。相談は予約制です。ご希望される方は、受付に申し込んで下さい。
(電話予約、インターネット予約では取れません)
2.こあら通信100号記念誌を発行します。
遅れに遅れた100号記念誌ですが、1月中には発行する予定です。購入を希望される方には1冊500円程度で販売致します。申し込み方法、時期等については院内掲示板やホームページにてご案内いたします。
編集後記
あけましておめでとうございます。いよいよ新しい年を迎えました。遅れに遅れた100号記念誌ですが、1月中に発行する予定です。お薬シリーズはいかがでしょうか。なかなか薬を飲めないというお子さんを持つ方には参考になったのではないでしょうか。今年もこあら通信を皆様とのコミュニケーションを図るツールの一つとして活用していきたいと思います。