横田小児科医院

院内報

こあら通信 第52号 2002 August

目次

・自己実現
・ホームケア・アドバイス-乗り物酔い
・ヨコピ-のQ救箱
・「発達と育児の相談室」担当者交代のお知らせ
・おすすめの絵本(紹介:おはなしたんぽぽ)

自己実現

 台風一過、暑い夏がやってきました。手足口病の大流行あり、‘あせも’や‘とびひ’の急増ありで、昨年に比べると忙しい外来が続いています。夏の病気は自然に治ってしまったり、ちょっと注意すれば防げる病気も多いので、ホームケアの威力が発揮される季節です。

 話は変わりますが、5月に続いて「子どもの心」研修会に参加してきました。今回気になったのは「自己実現」という言葉です。自分が本当にしたいこと、自分の可能性を実現すること・・という意味で、もともとは心理学の言葉だったのでしょう。

 お母さん方の自己実現の欲求と現実の子育てとの摩擦が、単純に子育てが楽しいと思えなかったり、子どもにつらく当たってしまったりする一つの原因になっているという話がいくつか出てきました。男女平等の教育を受け、社会に出て仕事を持って活躍することが当然として育てられた人たちが、子どもが生まれることによって世の中が一変してしまいます。母親以外の「わたし」を失ってしまったように感じて、社会から疎外されたように思ったり、自由に仕事をしている夫に不満を抱いたりするのも当然といえるでしょう。3歳まではお母さんが育てなければいけないという3歳児神話にも疑問が投げ掛けられる時代になっても、現実にはその呪縛から抜け出せずに悩んでいる方が多いのです。

 仕事を持ったお母さん方がもっと働きやすくなり、子育て中でも趣味や遊びに時間を使えるように、社会的な援助がやはり必要なのだと思います。病児保育や子育て支援センターの活動、父親の育児参加などを進めなくてはならない時代になっているのだと改めて感じました。

 子どもにとってお母さんはもちろんかけがえのない存在ですが、自己実現が達成され生き生きとしたお母さんに育てられることが子どもの成長にもきっと役立つはずなのです。

ホームケアアドバイス-乗り物酔い

 乗り物酔いは、乗り物が揺れ動くことにより、耳の奥で平衡感覚を調節している前庭迷路というところに、繰り返し異常な刺激が加わることによって起こります。

《原因》

 乗り物の中のいやな臭いや高温、乗り物に乗った時の姿勢、睡眠不足や胃腸の不調などの体の調子や心理的な要因(恐怖感や不安感)などが原因としてあげられます。

《乗り物酔いさせないためには》

1. 体調のいい状態で乗る。
2. 乗り物に乗った時は、なるべく揺れの少ないところ(バスなら前の座席)に座り、リラックスした姿勢をとるようにしましょう。
3. 窓をあけ、新鮮な空気にあたるようにしたり、なるべく遠くの景色を見せることも時には必要です。
4. どうしても酔いやすい子どもや、不安の強い子どもには、酔い止め「トラベルミン」を飲んでおくのがよいでしょう。(乗る30分~1時間前くらいにのみましょう)

《実際に酔ってしまったら》
1. 気分が悪くなりはじめたら、目を閉じて眠ってしまう。
2. 着ているものを緩め、おなかの圧迫をとりのぞき、体を横にし楽な姿勢でねかせる。
3. 吐き気があったら吐かせてしまった方が楽になります。
4. 可能であれば乗り物から降りて外を歩くのが効果的です。

 時間がたっても回復しなければ病院で受診してください。

ヨコピ-のQ救箱

Q. 夏の水分補給!どんなことに気をつけたらいいの?

A. 子どもは大人に比べて体に含まれる水分の量が多く、またウンチやオシッコ、汗などとして水分が体から出ていくスピ-ドが速いので、飲む量も相対的に多くなるんだよ。とくに夏は、よく汗をかいて水分がたくさん失われるために、どうしてもより多くの水分をとるようになるよね。でも上手に水分を与えないと食欲がおちたり、栄養障害を起こしてしまうこともあるんだよ。水分のとりすぎで食欲がおちる理由は糖分のとりすぎなんだ。飲み物に含まれている糖分は腸からの吸収がよく、血糖値がすぐ上がるのでお腹がいっぱいになってしまうんだ。とくに市販のジュ-ス類には糖分が多く含まれているので注意が必要だよ。ジュ-スをあげる場合には、糖分の多いものはさける、一回量を減らす、食事の前には与えない、などを心がけてね。水分補給には水道水、麦茶、ほうじ茶などがおすすめです。また最近では、いろいろな種類のイオン飲料水が市販されているけれど、電解質の濃度が高く塩分のとりすぎになりかねないのでたくさん汗をかいたような時だけのませるようにしましょう。

「発達と育児の相談室」担当者交代のお知らせ

 発達相談員を担当されていた、小倉先生が1年ほどの予定で海外に行かれるため、平成14年8月から担当者と日時が変わります。

     日時:第1・第3火曜日 9:00~17:00(予約制) 
     担当:内倉 真知子先生(発達相談員)

 内倉先生は、7月まで発達相談員を担当していた小倉先生の友人で、現在所沢児童相談所に勤務(非常勤)されています。

 「発達と育児の相談室」では、子どもの発達と育児上のご相談にゆっくりお応えします。 子育ての心配事を相談できる場所はいろいろありますが、ちょっと悩んでいる方は気軽に声を掛けて下さい。

おすすめの絵本(紹介:おはなしたんぽぽ)
どうながのプレッツェル

マ-ガレット・レイ ぶん
H. A. レイ え
わたなべ しげお  やく
福音館書店

 オモテ表紙には、プレッツェルの顔と前足。裏表紙には、しっぽと後足。広げてながめると本当にビックリするほどの胴長のダックスフントが現れます。この時から、子どもたちはプレッツェルの魅力にグングン引き込まれていきます。そして、お話はこの胴長のダックスフントの恋物語。なかなか簡単には成就しません。みんなでワクワク見守ってくださいね。幼児から小学生まで楽しめる、とっておきの一冊です。

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