横田小児科医院

院内報

こあら通信 第46号 2002 Feb

目次

・からだ言葉
・ホームケア・アドバイス-アレルギー性紫斑病
・ヨコピ-のQ救箱
・お知らせ
・おすすめの絵本(紹介:おはなしたんぽぽ)

からだ言葉

 インフルエンザの季節が到来しました。まだ流行は一部の地域ですが、保育園、幼稚園、学校を中心として子どもへ拡がっていくことが心配されます。むやみに怖がることはありませんが、甘く考えずに知識を再確認しておいて下さい。

 最近、不登校などに絡んで子どもの心と体の関係について話をすることが多くなりました。人間は一つの細胞からすべて始まっていて、そこから神経も内臓も、皮膚や筋肉も生まれてくるわけで、心と体には密接な関係があります。体の調子が悪ければ気持ちも落ち込んできますし、逆に心が病んでいるときには体の具合も悪くなります。

 特に子どもは、自分の感じていることを言葉で表現するのが下手なので、それが体の症状として出てくることが多いのです。友達と仲良くできないとお腹が痛くなる、発表会などの緊張するでき事があるとトイレが近くなる、など現れ方は様々です。年齢が高くなると朝起きられない、立ちくらみがある、頭痛が続くなどの自律神経失調症の症状が目立つことも特徴です。

 大切なことは、いろいろな症状がメッセージを持っていること(からだ言葉)に周囲の人が気付いてあげることです。症状ばかりにこだわっていると本質が見えてきません。心の問題が解決していないと、一つの症状を消しても今度は別な症状が出てくることになってしまうのです。

 子どものからだ言葉に気付くためには、心と体が一つのものであるということを理解していることが必要です。しかしそれだけではなく、気付けるだけの「心のゆとり」が周囲の人に必要だということも忘れてはならないでしょう。もう一度お子さんを見直してみませんか。

ホームケア・アドバイス-アレルギー性紫斑病

《原因》

 2~8歳の子どもがかかることが多く、上気道感染症、とくに溶連菌による扁桃炎に引き続いて発症することが多いといわれますが、詳しい原因はわかっていません。感染症に伴う免疫反応やアレルギー反応などによって血管の炎症が起こり、血管がもろくなっていろいろなところに出血が起こる病気です。皮下に出血すると紫色に見えることから紫斑病と呼ばれるのです。

《症状》

 血管の炎症が起こる場所により、皮膚、関節、腹部の3ヶ所の症状が特徴です。出血斑は盛り上がった発疹や点状の斑点で、下肢や臀部が出やすい場所です。顔、手や足の甲の一部がむくむということもあります。関節は主に膝や足首に症状が現れ、痛みや腫れのために歩けなくなることもあります。お腹の血管に炎症が起こると腹痛が起こり、時には下血、嘔吐、吐血を伴うこともあります。腎臓の血管に炎症が起こると腎炎を起こすことになり、血尿やタンパク尿がみられます。腎炎の重さはこの病気の長期的な経過を決定する大事な合併症です。

《治療》

 ほとんどの場合、紫斑は1ヶ月前後で自然に治りますが、再発することもあり、半年以上長引くこともあります。強い腹痛や下血があるときは絶食して輸液し、ステロイド薬や血液製剤を使うこともあります。関節痛には鎮痛剤を使いますが、痛みは通常一時的なものです。腸に穴があく腸穿孔、脳症などの重い症状を合併しなければ経過は良好です。

《ホームケア》

 紫斑がでているあいだは安静が必要です。寒冷によって悪化することもあり、寒い日には外出を避けるなどの注意をしましょう。紫斑の再発をくり返すと腎炎を起こす可能性が高くなると言われています。また、紫斑が消えてからでも腎炎を起こすことがありますので、治ってからもしばらくは尿検査が必要です。腎炎を合併しても多くは1年以内に治りますが、重い腎炎になると長期間の治療を続けなくてはなりません。

ヨコピ-のQ救箱

Q. 薬を嫌がって飲みません。うまく飲ませる方法は?

A. シロップでも粉薬でも、そのままのんで、その後に水を少しのむというのがいちばんいいんだけれど、まず、本人の薬の好みを覚えて、のみやすいものを処方してもらうよう先生にリクエストしてみるのもいいよ。のみにくい時には、ヨーグルト・アイスクリーム・プリンなど甘いものや冷たいものに混ぜると味をごまかせるよ。でも薬によっては相性の悪いものもあるんだ。たとえば、牛乳やヨーグルトに混ぜると吸収されにくくなるものや、オレンジジュースにまぜると苦味がでてしまう薬もあるので薬局でのみ方の注意点などをよく相談して確かめてみてね。

 どうしても薬をのまないという子どももいるけれど、親が弱腰なのが原因ということがよくあるよ。欠くことのできない薬の場合には、あきらめないで毅然とした態度でのませることが大切だよ。親の熱意は必ず子どもにも伝わるはず。また、がんばってのんだ後にはほめてあげることも忘れないでね。

お知らせ

1.渡辺先生

平成14年1月から毎週木曜日、渡辺博先生が診療に加わりました。
午前は主に乳幼児健診(9:00-10:00)・予防接種(10:00-11:00)、午後は主に一般外来を担当します。(横田先生も通常通り診察いたします。)
渡辺先生は東京大学小児科非常勤講師で、「子ども医学館」を院長と一緒に編集された小児科の先生です。

2.風疹予防接種

風疹予防接種の公費による接種の対象者が拡大されました。
対象となる方は、昭和54年4月2日-昭和62年10月1日までの間に生まれ、従来の風しんの定期接種を受けていない方です。詳しくは受付へ。

おすすめの絵本(紹介:おはなしたんぽぽ)

くんちゃんのふゆのパーティー

ドロシー・マリノ 作  あらいゆうこ 訳  ペンギン社 定価997円

 こぐまのくんちゃんは雪を見た事がないのでまだ冬眠したくありません。そのうち雪が降ってきてあたりはまっ白になりました。小さな動物達がひもじいのを知ったくんちゃんは、パーティーを開きます。次に出掛けているお父さんの為にモミの木を飾ります。お父さんは、お母さんとくんちゃんにプレゼントを持って来てくれました。おいしい夕ごはんを食べ眠くなったくんちゃんは、そのまま春まで眠ります。心が暖くなる本です。

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