横田小児科医院

院内報

こあら通信 第43号 2001 Nov

目次

・もっと子育て支援マインドを
・ホームケア・アドバイス-せき
・ヨコピ-のQ救箱
・新しい絵本が入りました
・おすすめの絵本(紹介:おはなしたんぽぽ)

もっと子育て支援マインドを

 秋も深まって、北の国では紅葉も始まっています。静かだった小児科の外来も、熱や咳の患者さんで賑わうようになってきました。

 最近の外来では、生まれたばかりの初めてのお子さんを連れてやってくる、若いご両親に出会うことが増えてきました。赤ちゃんのちょっとした変化も病気だと思い込んでしまって、心配そうな顔で診察室に現れます。考えてみると、私も小児科医になりたての頃は、赤ちゃんを抱くことさえ、恐る恐るでした。核家族になって兄弟も少なく、赤ちゃんを抱いたこともないまま親になった世代にとって、小さな我が子はとってもたよりない存在で、いろいろ心配になるのは仕方のないことです。

 そんな世の中の変化を受けて、行政は「子育て支援事業」をさかんに勧めています。私たち医療や保健に関わる人もいろな支援を考えているのですが、大事なことが一つ抜けているように感じることがあります。 それは世の中一般の人の子育て支援マインドです。北欧に留学して子育てをされていた先生が、むこうでは子どもをバギーに乗せてバスに乗ろうとするとすぐに回りの人が助けてくれて、席も譲ってくれると話していました。日本ではうさんくさそうな顔で見られたり、子どもが泣いてでもいればすぐに不愉快そうな顔をされることが少なくありません。

 社会全体の子育て支援がなかなか進まないのは、一つはこうしたところに原因があるのではないでしょうか。世の中にもう少し余裕ができて、すべての人が赤ちゃんに、そして赤ちゃんを育てるご両親に、やさしくなれる社会が早く実現してほしいものだと思います。

ホームケア・アドバイス-せき

《原因》
 子どもが少しでも咳をすると、まっ先にかぜを疑いがちですが、咳はちょっとした気温や温度の変化・ほこりを吸い込んだときにも出ます。赤ちゃんでは母乳やミルクでのどに痰がからんだ様なゼロゼロ音がすることもありますが病気ではないことが多いのであわてず様子をみましょう。また、喘息や喉の粘膜が敏感な子の中には朝起きた時、運動などで体を動かした後、季節の変わり目などに咳が出ることが多いものです。

《どんな咳があるの?》
 かぜによるものでは、喉に痰がたまり、それを外に出そうとして咳がでます。徐々にひどくなっていく時や長引く時は急性気管支炎・喘息性気管支炎などの可能性もあります。特徴のあるものでは、咳が長引きコンコンコンという連続した咳の後にヒューという音を出して息を吸うときは百日咳、イヌの遠吠えの様な咳がでて息苦しそうな時は声帯のあたりの炎症(仮性クループ)が疑われます。早めに受診しましょう。

《こんな時は病院へ》
・元気がなくぐったりしている
・口唇の色が悪い
・咳き込んで吐く回数が多い
・食事がとれず夜も眠れない日が続く
・水分もとれず尿回数が減って口の中や 皮膚が乾燥している
息が苦しそうな時にも受診しましょう。受診時、咳の出かた(朝・昼・夜・睡眠中のいつが多いか、乾いた咳か湿った咳か、ゼーゼー聞こえるか、咳込んで吐くか、咳以外にも症状があるかなど)も看護婦や医師に伝えられるようにメモなどを取っておきましょう。

《ホームケア》
 室内は乾燥に気をつけ、水分を多めに与え痰を切れやすくします。小さな子どもなら縦抱き、少し大きな子どもは座らせて背中をポンポン叩いてあげると痰がでやすくなります。

ヨコピ-のQ救箱

Q. 目やにはどうしてでるの?

A.  赤ちゃんの場合は鼻涙管(目から鼻へ流れる管)が狭いから、涙が鼻へスムーズに流れていかなくなって目やにがよく出るんだよ。一時的で量も多くなければしばらく様子をみてもだいじょうぶだよ。でも涙が異常に多かったり、まぶしがったり、他に気になることがあるなら相談してね。目やには清潔なガーゼでやさしくとってあげてね。このとき目頭から目じりに向かって拭くことを忘れないでね。もし結膜炎のように他の人にうつる病気のときは、目やにで感染するから、顔や手を拭くタオル類は家族や友人と一緒に使わないように注意することが大切だよ。結膜炎、麦粒腫、角膜炎のときは目やにが多くてかゆみや痛みもあるよ。他に目が充血したり、目やにがでるのは目の病気ばかりではないんだ。全身の状態も注意してみることが大切なんだよ。

新しい絵本が入りました

 月に一度絵本の読み聞かせをしてくださっている”子どもの本箱”の皆さまのご協力で、子どもたちの心をわくわくさせる絵本をあつめました。一般の書店ではなかなか手に入らないものもあります。移動式の本箱に入っていますので、どうぞ手にとってみてください。小学生向けの本もあります。(受付前本だな)また、本箱にある「こどもと本」(雑誌)には、とびっきり楽しくて、御薦めの絵本や児童書がたくさん紹介されています。本選びの参考に是非お読み下さい。第一号から順に読まれる事をおすすめします。

おすすめの絵本(紹介:おはなしたんぽぽ)
「三びきのやぎのがらがらどん」

マーシャ・ブラウン え せたていじ やく 福音館書店 1050円

 三びきのやぎが山へ草を食べに行く途中、橋の下に住むトロルに食べられそうになるというよく知られた北欧民話です。「かたことかたこと・・・・・」と橋のなる音や、やぎとトロルの問答を、一番目、二番目、三番目と1つ1つ繰り返しながらお話が展開していくので、小さい子にもお話の内容をはっきり理解することができ、安心してお話にひたれます。この本の中では、子どもは自分が一番小さいやぎになってお話を楽しむことでしょう。

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