横田小児科医院

院内報

こあら通信 第197号 September 2014

目次

・カゼ治療の常識は正しいか?
・病児保育室施設紹介
・ヨコピー講座 「子どもの熱中症」
・インフルエンザ予約開始
・お知らせ

カゼ治療の常識は正しいか?

今年も8月の終わりは日本外来小児科学会の年次集会です。開院当時からこの学会で学んできましたが、今年もスタッフといっしょに勉強してくる予定です。そこで、今回はつい最近の学会雑誌に載っている論文の内容を紹介しようと思います。論文というと難しい内容だと思うかもしれませんが、そうではありません。日常の診療に直結した、患者さん方にとても役立つ内容なのです。

1つ目は「小児科外来を受診した軽症気道感染症の経過に影響する因子について」という論文です。カゼを引いたときに、熱、咳、鼻水などが家庭の状況や治療によって、治り方がどのように違ってくるかを詳しく調べた研究です。関西圏の21の小児科クリニックを受診した患者さん167人を対象に行われました。

発熱には影響を与える因子はありません。抗生物質や解熱剤が使われますが、どれも早く熱を下げる効果はみられなかったということです。咳については、両親の喫煙と咳止めの薬を使うことが、咳を長引かせることにつながっています。また、兄弟がいることと抗生物質を使うことが、鼻水を長引かせることにつながっています。さらに、抗生物質を使うと下痢が長引くこともわかりました。要するに、カゼを早く良くするような薬はなく、薬を使うことがかえってカゼを治りにくくしているらしいということなのです。

2つ目は「小児科外来患者における発熱と血清ナトリウム(Na)の関係」という論文です。熱が出ると脱水になりやすいとよく言われます。嘔吐やひどい下痢があるときは別として、熱が出て脱水になれば血液が濃くなってNa濃度が上昇するわけですが、実際には熱が高いときのNaは反対に下がっていることが多いのです。これは熱が出ると尿を減らすホルモンが増えるためで、「熱が出たら水分をたくさんとるように」という指導は正しくなく、水分は欲しがる程度に与えれば十分というのが正しいケアになるということです。

欧米では常識の治療法も、日本ではなかなか定着しません。医療事情や様々な原因があるのですが、小児科医だけでなく患者さんもいっしょに情報を得ることで、少しずつ状況が変わることを期待しています。

病児保育室施設紹介

全体的にサファリをイメージしました。いろいろな所から顔を出す動物たちに囲まれて子どもたちが安全に楽しく一日を過ごせますように!! 白と木目を基調とした明るい室内、扉は指を挟みこまないようにゆっくり閉まります。各部屋エアコン、空気清浄器を配置し、木目調の床は柔らか素材ながら抗菌仕様です。電源は全て子どもの手が届かないように壁上部に配置しました。ぞうルームは子ども達の症状にあわせて細かく仕切れるように可動式の柱を設置。外部からの不審者の侵入を防ぎ子どもが中から飛び出すのを防止するために、手すりやウッドデッキが配置されています。保育室の玩具や寝具類は毎回消毒や洗濯を施し感染予防に努めています。

ヨコピー講座 「子どもの熱中症」

9月になりますが、まだまだ暑い日が続いています。長い夏休みも終わり集団生活が始まりました。休み明けは、休み中の不規則な生活や疲れから体調を崩しやすくなっています。残暑もあり熱中症には十分注意しなければなりません。熱中症は、暑い環境の中で起こる様々な障害の事を言います。気温だけでなく、湿度や直射日光なども関係しています。同じ気温でも湿度が高いと汗が出にいため熱中症を起こしやすくなります。症状は色々ありますが、大きく分けて4つあります。

①「熱失神」急に暑い場所に出た際などにめまいや失神などを起こす。
②「熱けいれん」運動などで大量に汗をかいた後で、筋肉が痙攣を起こす。足がつるなどの状態
③「熱疲労」大量に汗をかき、水分や塩分が十分に補給されない時、めまい・頭痛・吐き気などを起こす。
④「熱射病」熱疲労から更に進んだ状態。脱水に加え、体温調節機能が麻痺した状態。

熱失神・熱疲労時は、涼しい所で足を高くして寝かせ水分を補給します。首・腋の下・足の付け根を冷やす、体を拭いて団扇などであおぐ事もいいでしょう。 熱中症にならないように、日頃から十分な睡眠と朝食を取るように心掛けましょう。体調が悪い時は無理をせず、休むことも必要です。

インフルエンザ予約開始

9月3日(水)19時:インターネット先行予約
9月5日(金)窓口・電話予約開始

①6ヶ月〜小学生のお子さんは、接種回数2回です。1回目の予約の際に、 必ず2回目も予約してください。1回目終了後に2回目の予約を取ると、 既に予約が埋まってご希望の日程でとれないことがあります。 ※1回目と2回目の間は4週間あけてください。
②6ヶ月未満のお子さんは、接種できません。まわりの家族が接種する、イン フルエンザ流行時の外出を避けるようおすすめいたします。
③6ヶ月〜1歳未満のお子さんは、ワクチンの抗体がつきにくいといわれていま すが、集団生活をしているお子さんは接種をおすすめします。
④初めての方(保護者)は、Web予約から新患登録で予約ができます。
⑤予約が埋まった時点で終了となります。当日の予約はできません。
⑥問診票は、HPよりダウンロードか受付に用意してあります。事前に記入・ 体温の計測を済ませていただきますようご協力お願いいたします。

お知らせ

10月1日から水痘ワクチン(水ぼうそう)が定期接種になります。対象は1歳〜3歳未満で2回接種です。経過措置として来年3月31日まで、3歳〜5歳未満で1回も接種していないお子さまも対象です。詳しくは受付までお問い合わせください。

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お問い合わせ先

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〒250-0051
神奈川県小田原市北ノ窪515-3
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TEL 0465-34-0666
FAX 0465-35-0756
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