横田小児科医院

院内報

こあら通信 第188号 December 2013

目次

・ロコモ
・相談室からの風景Q&A編No.29「きょうだいげんか」
・ヨコピー講座「鼻水・鼻づまり」
・お知らせ
・編集後記

家庭が一番

 早くも師走です。紅葉がきれいな11月でしたが、突然やってきた冬に戸惑っている方も多いと思います。

 10月から始まっているインフルエンザワクチンの接種も佳境に入り、同じ姿勢でたくさんの患者さんに接種を続けるのは、60歳を超えた身には少し辛いこともあります。開業後しばらくして仕事が忙しくなったときに、ひどい腰痛に悩まされたことがありました。前かがみの姿勢がよくないことがわかり、自分のイスを低くして前かがみにならないようにし、毎日犬と散歩に出かけて歩くことによって、このときの腰痛はほぼ克服できました。

 しかし、最近になってまた少し腰痛が出始め、肩の痛みにも悩まされるようになりました。そんなとき神奈川県医師会主催の健康スポーツ医学講座が小田原市保健センターで開かれました。講師は中村格子先生。ラジオ体操を通してロコモティブシンドローム(ロコモ:運動期症候群)を予防しようという活動を広めている有名な整形外科の女性医師です。スタイル、姿勢がきれいな素敵な先生です。

 年をとって運動器の障害のために移動する能力が低下し、介護を必要とする状態になることをロコモといいます。ロコモにならないためには若いうちからの運動習慣が大切です。保護者の皆さんはまだ若いと思っているでしょうが、今のうちから運動習慣をしっかりつけて、筋肉を鍛えておくことが重要なのです。歩くことや正しいラジオ体操はそのための大事なツールと言えます。

 もう一つなるほどと思ったのは、姿勢の大切さです。姿勢が悪いと関節などによけいな負担をかけ、関節を傷めることにつながります。そして良い姿勢を保つためには、ふだんからの習慣と、腹斜筋や腹横筋をはじめとした全身の筋肉の力を落とさないことが大切です。年齢が上がっておなかが出てくると、みんな脂肪がついたと考えるけれど、実際には腹斜筋や腹横筋の力が落ちて姿勢が悪くなるために、そう見えるだけだという話にも納得しました。姿勢が悪く、フニャフニャした子が増えているといわれますが、小さいうちから良い姿勢を保つ習慣をつけることが大事なのだと改めて感じました。

相談室からの風景Q&A編No.29「きょうだいげんか」

Q. きょうだいげんかが悩みです。3歳のお兄ちゃんが、赤ちゃんをドンと押し倒したり、首をギューしたりするのを見るとびっくりします。どうすればいいのでしょう。

A. 最近、子どもの泣き声にハッと反応する時、目じりが下がっているのに気が付くワタクシ。ん?「ばーば目線」?いやいや、まだそんな年じゃないよ!?(^^)

4歳のお兄ちゃんにやられて、ワーッと泣きながら母に駆け寄る2歳児。3歳の妹に、勝負でも何でもない所で「あたしの勝ち!」と一方的に宣言され、カチンとする5歳の姉。無言でこたつの陣地取りをする小学生兄と妹。いずれも、笑って見ていればいい時と、大人が間に入るのが必要な時がありますね。

仲裁に入るにも、矢継ぎ早に「止めなさい!」「ごめんなさいはっ?」だけでは子どもの気持ちは納まりません。ヒートアップした時は少し時間をかけ、落ち着かせてから、「どうしたかったのか」「何が起こったのか」それぞれの言い分を聞いてみましょう。片方がまだ話せない年齢の時は、下が落ち着いてから、上の子の話をゆっくり聞きます。そして、そういう時、どうすればよかったと思うか、子どもと一緒に考え、必要なら教えてあげましょう。子どもが納得して、自分から「ごめんね」と言えれば、心から褒めてあげましょう。

自分の行動をモニタリングすることは、本当に難しい作業で、3歳後半~4歳過ぎから、ゆっくり聞き出してあげれば、自分の「こうしたかった」という思いを言葉につむげるようになります。言葉だけで難しい時には、簡単な図解(○や棒人間で位置関係を確認するだけでもOK)や、人形を使い、何が起こったか再現しながら話をすると、見て分かりやすくなります。その際、大人は決して声を荒げず、冷静にゆっくり話します。

「ワカランチン」の2歳児や、「自己チュー」の3歳児では、モニタリングもまだ難しい。その場合は、まず子どもの行動を止めてから、(悔しかったね)(こうしたかったんだよね)と、子どもの思いを代弁してあげましょう。落ち着いたら、「そういう時はこうしてね」とふさわしい行動を伝え、できたら褒めます。(ex.赤ちゃんに邪魔されたくない時は、自分が別室に逃げる、母を呼ぶ、等。)そして、別の場面で赤ちゃんのお世話を手伝ってもらい、たくさん感謝して、自分が「頼りになるお兄ちゃん・お姉ちゃん」である経験を積みましょう。その中で、(赤ちゃんは自分でこうしたいって言えない)とか、(お座りが不安定で、ぶつかったら倒れちゃう)とか、赤ちゃんの「生態」を知っていけるとよいですね。

「きょうだい」って、何にもまして、互いにかけがえのない、大切な存在。家族の形態の変化は、上の子にとっては自分の存在が脅かされる体験ですが、その変化は、仲間が増えたという喜びであったり、自分がただ守られているだけではない、自分が守るべきものを持ったという責任感を生じるものであったりします。その責任感は、叱られ続けることで「嫌なもの」にもなるし、褒められ、感謝されることで、自分は「役に立つ存在」、という自己有用感にもなり得ます。

幼い自我のけなげな「変身」を、どうぞ、応援してあげてくださいね。

ヨコピー講座「冬のやけど」

 12月になると、暖房器具を使用したり、温かいものを飲んだり、食べたりする機会も多くなってきます。

 小さな子どもは、炊飯器の蒸気、アイロン、テーブルの上のコーヒーや、汁物、お風呂のシャワー、ガスコンロなどでやけどをすることが多く、ママ、パパがちょっと目を離したり、油断したすきに起こるのがほとんどです。冬はストーブのほか、ホットカーペットの上に長時間寝かせておいたり、湯たんぽ(45度くらい)に長時間触れることで起こる低温やけどにも注意が必要です。

 小さな子どもは皮膚が薄くてやわらかいので、やけどをすると熱がすぐに皮膚の深部まで伝わってしまい、重傷になりやすいです。たとえ浅くても体表面積の10%以上のやけどを負うと、脱水症状やショック症状を起こす危険があります。

 やけどをした時は10分以上冷やし受診しましょう。やけどを予防するには、熱いものを近づけないのが第一です。赤ちゃんを抱っこしたまま熱いものを飲まない、子どもの手の届く場所に熱いものを置かない、ホットカーペットに長時間寝かせない、ストーブには柵をつけるなどの安全対策が必要です。

お知らせ

1. 年末年始のご案内

 12月29日(日)?1月5日(日)まで休診になります。休診の間は、休日夜間診療所、他の医療機関をご利用くださいますようお願いいたします。

2. 待合室の本棚からオススメの2冊

冬におすすめの絵本を舟橋さんに聞いてみました。

一冊は「はたらきもののじょせつしゃけいてぃー」。各ページの縁に、細かいアイテムが描かれています。ディティールが細かいので、子どもが食い付きそうです。

小さいお子さんには、「ゆうびんやのくまさん」。くまさんシリーズのうちの1冊です。クリスマス・イブの日の1日が素敵に描かれています。  

どちらも雪のちらつく絵本ですが、読み終わる頃には、心はぽかぽかになると思います。

※舟橋さんは毎週金曜日午後(健診:予防接種)の時間にいる読み聞かせのスタッフです。絵本選びに迷ったら、気軽に聞いてみてくださいね。

編集後記

我が家の「動く発電所」も今月で2歳。子どものエネルギーを発電に活かせればいいのにと思う1年でした。クリスマスの制作をするにあたって、オーナメントの意味を調べてみました。「杖(赤と白の縞模様)」には、人々がお互いの杖となって助け合う気持ちを表現し、「リボン」はお互いが愛情を持って永遠に結ばれるようにという意味があるそうです。世界中が、この気持ちで満たされる事を願わずにはいられません。皆さん、今年もありがとうございました。メリークリスマス&よいお年を!(11月に事務の山田さんが退職されました。長い間ありがとうございました。)

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