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小田原市の小児科クリニック、横田小児科医院です。

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こあら通信 第135号 July 2009

目次

ワクチンで防げる病気
「相談室からの風景から」
ヨコピーの子ども講座
お知らせ
編集後記

ワクチンで防げる病気

 沖縄では梅雨が明けましたが、小田原はまだ梅雨の真最中です。今年は天候の変化が大きく、喘息発作を起こしたり、夏かぜにかかったりするお子さんが多いように感じます。

 この半年の間に、日本のワクチンの状況が少しずつ変わってきています。昨年12月に待望のヒブワクチンが発売され、まだ十分な供給がありませんが、接種するお子さんが増えてきました。ヒブは細菌性髄膜炎の原因となるインフルエンザ菌b型を予防するワクチンで、1998年にはWHOが乳児への定期接種を推奨する宣言を出しています。先進国の大部分が定期接種として導入していて、この菌による髄膜炎がほとんどなくなるくらい効果が大きいことがわかっています。

 子どもの細菌性髄膜炎のもう一つの大きな原因である肺炎球菌に対するワクチンも、来年には発売される予定になっています。小児用の肺炎球菌ワクチンは2009年3月時点で、アジアやアフリカの国々を含む93カ国で導入されていて、すでに35カ国で定期接種プログラムに組み込まれています。肺炎球菌は子どもの鼻やのどの奥にふだんから住みついている菌で、髄膜炎だけでなく中耳炎や肺炎の原因になっています。このワクチンが導入されると、子どもに多いこれらの病気もかなり減ることがわかっています。

 子どもの病気だけでなく、ガン予防のワクチンが年内にも発売される予定です。これは女性の子宮頸癌の原因であるパピローマウイルスに対するワクチンで、米国では2006年から接種が始まっています。このウイルスはありふれたウイルスで、性生活が始まると誰でも感染する可能性があり、その前にワクチンを接種することによってかなりの子宮頸癌を予防できます。日本では毎年2500人の比較的若い女性が子宮頸癌で亡くなっていますので、このワクチンがいかに女性にとって大切なワクチンかがわかります。

 予防接種の副反応などの問題で、この20年あまりの間に日本のワクチンは世界の情勢から大きく遅れてしまいました。ワクチンの効果を正しく判断して、子どものために積極的にワクチンを接種するようになってほしいと思います。

「相談室からの風景から」
「寺小屋お師匠の不登校は、突然やってくる」

 中学3年の秋頃に、幾つかのサポート校を見て回ったA君は、S校が気に入って行くことに決めました。今まで、不登校で学校へ行ってなかったA君は、行かれる高校が決まったことで、明るくなりました。

 4月になり、高校に通い始めました。朝も早くから支度をし、教室一番乗りの状態で、通い始めました。明るくなり、元気に毎日通う姿を見て、親も安心しました。学校では、非常にハイテンションで、みんなの人気者になりました。先生方も、期待をして見てくれました。 学校で飼っているウーパールーパーや亀などの世話も進んでやっていました。生き物が好きなA君は、生き生きと登校していました。

 5月になり、少しずつ様子が変わってきました。登校途中で具合が悪くなり、駅員さんに迷惑をかけたり、行かれなくなり戻ってきたりする事が多くなってきました。6月にあった校外学習には、参加出来ませんでした。

 この辺から、また不登校生活に戻ってしまいました。結局、これ以来学校へは、一日も行きませんでした。

 2年生になっても、不登校は変わりません。先生方が家庭訪問してくれて、授業をしてくれたり、途中の駅まで出てきて下さって、喫茶店で会ったりと、色んな方法をとってくださったのですが、登校は出来ませんでした。

 単位を取るのに、レポートをたくさん出しました。「カメ」や「ゴキブリ」に関して色々調べ、私の助けも借りながら、レポートを仕上げ、提出しました。先生方には、非常に好評で、高い評価を受けました。しかし、学校へは行こうという素振りさえ見せませんでした。

 1月には、地元の七福神巡りをして、何枚にも渡るレポートを作り上げました。

 3年生になっても、不登校は続きました。母親とのカウンセリングは続いていましたので、子供への対応は、しっかり出来ていましたので、「落ち着いた不登校」になりました。

 3月になり、卒業式が迫ってきた時、私たちは「行かないだろう」と思っていたのです。しかし、突然「卒業式に出る」と言い出しました。母親と二人で、正装し会場へ行ったのです。卒業生の座席には座らず、母親と一般席に座っていました。順番に名前が呼ばれ卒業証書を貰っていきます。彼の番が来ました。「A君」マイクで名前を呼ばれた時、彼は、その席で,起立をし、丁寧にお辞儀をしました。当然前に出て、直接貰うことはありませんでしたが、卒業式終了後、別の部屋で校長先生から直接いただいたそうです。

 彼は、一応高校は卒業しました。しかし、その後は決まってません。

 現在もA君は、家に居ることが多い生活をしています。自分の好きなゲームや本を探しに、自転車で相当遠くまで出かけています。私のために、見たい映画や本を探してくれています。毎週A君と会って、話をしたり、遠くまで車で出かけたりしています。 今は、もう20歳を過ぎています。しかし、自立は出来ていません。バイトも出来ません、勉強もしようとはしません。

 知能は,普通です。もしかしたら、知能は良いのかもしれません。大好きな生物に関しては、高校生以上の知識や思考力を持っているからです。 知能が、普通なのに、どうして不登校になってしまうのでしょう?それは、人間が大人になるために必要なのは、知能だけではないからなのです。心の発達がしっかり出来てないと、自分に自信が無く、自分の未来が考えられないんです。そのために、自分の未来のために努力することが出来ないんです。

 現在、ニートと呼ばれる人が、多く出ています。これもよく似た症状だと思われます。皆さんの周りにも、不登校の子供やニートの大人が、居ませんか? お宅のお子さんは、大丈夫ですか?

 これは、不登校になった子供の一例です。このA君の例を元にして、どうして不登校になったのか、不登校にならせない為には、どうしたら良いのかを考えて行きたいと思います。 

ヨコピーの『こども講座』
「でべそ」

 生まれて間もない時期の乳児は、おへその周りの筋肉がまだ弱いので、泣いたり、いきんだりして、お腹に圧力が加わった時、おへそが大人の親指か、ピンポン玉くらいの大きさまでふくれることがあります。

 へその緒の通っていた穴から、腹膜と一緒に腸が飛び出して、触るとグニュグニュした感じです。これが出べそ〔医学用語では、臍ヘルニア〕です。人種による差がありますが、日本人では25人に1人くらいの割合でみられると言われています。ほとんどは、お腹の筋肉が発達してくる1歳頃までに自然に治りますが、2歳を過ぎても治らない場合や、治っても皮膚がゆるんでしまった場合は、手術をすることがあります。生まれて早い時期に上手に固定すると、早く治ることが多いので、相談してみてください。

お知らせ

1. 日本脳炎ワクチンについて

新しい日本脳炎ワクチンが発売されました。現在、旧ワクチンと新ワクチンを併用し接種しております。詳細、予約は受付までご連絡下さい。
     新ワクチン・・初めて接種する方。
     旧ワクチン・・1期追加、2期接種の方。

2. Hib(ヒブ)ワクチンの予約について

現在、ヒブワクチンの予約は3-4ヶ月待ちになっております。ご希望の方は早めにご予約下さい。なお、他の予防注射と一緒に接種できるので、ご相談ください。

3.健診・予防接種と絵本の読み聞かせ

 毎週金曜日午後2時?4時まで、「読み聞かせ」サークルの方に絵本を読んでもらっています。先日、当医院のスタッフにも「読み聞かせ」を体験させてもらいました。大人だけ ど絵本の「読み聞かせ」。とても素敵な時間だったようです。本を読む子になってほしい、絵本を通じて学習してほしい等々、お母さん達の願い空しく・・もとい。船橋さん(読み 聞かせの方)のお話を聞いて、皆さん肩の力が抜けたそうです。「文字は読まないで絵だけ 見ててね、と言われたら、絵が動いているように見えた」「子どもが生まれる前にお話聞き たかった?」など、目から鱗の体験だったそうです。
 
 船橋さんは魔法をかけるように、表紙をゆっくり開けます。子どもの想像力は私達が持っているものよりずっと豊かですし、大人と子どもが絵本という1つの世界を共有できるのは幸せだと思います。興味ある方は、ぜひ。

 外出後のうがい手洗いはいつも通り忘れないようにしましょうね。

編集後記

絵本で思い出した子どもの頃の思い出。共働きで忙しかった母が、寝る時に昔話をしてくれました。真っ暗の狭い部屋に布団を引きつめて、皆で引っ付き合って聞きました。赤鬼と青鬼の少し悲しく温かい話です。いつも忙しそうで怒ってばかりの母がその時だけは優しい声だったのを覚えています。暗闇は恐くもありますが、見えないものも感じ、温かい匂いを感じるところでもあります。

Yokota Children's Clinic医)横田小児科医院

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