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小田原市の小児科クリニック、横田小児科医院です。

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こあら通信 第129号 January 2009

目次

目標をみつける
相談室からの風景-ファイル・13
ヨコピーの子ども講座-「胃腸炎と腸重積症」
お知らせ
編集後記

目標をみつける

 あけましておめでとうございます。不況の影が忍び寄り、新型インフルエンザへの不安も高まったまま新年を迎えます。先の見えない世の中ですが、それでも新しい年になると気持ちを新たにし、新しい目標を立てようという気持ちになります。

 体重を減らそうなど身近な目標もありますが、進学先や仕事を決めるときなど、人生の中で何か大きな目標を定めるときには、いろいろなきっかけがあるものです。

 私は一年浪人をして東京大学に入学しましたが、東京大学を目指そうと思ったのにはわけがあります。私の父は旧制中学(府立三中)を卒業し、憧れていた旧制の静岡高校を受験したのですが失敗しました。飛び級で受験したときには一次試験に受かったのに、卒業したときは一次で落ちたと、よくぼやいていました。浪人するつもりでいたら、戦時中で医師を増やすために東京大学に医学専門部ができることになり、首尾よく合格し医者になったのです。

 専門部に通う中で、正規の医学部はどんな授業をしているのだろうとそっと授業に忍び込んだところ、先生に見つかって退出させられて悔しい思いをした、と私によく話していました。また、尊敬していた東京大学小児科出身の恩師の名前から「郎」をもらって俊一郎にしたと、繰り返し聞かされたりもしました。

 そんな中で東京大学に対する関心、父に代わって医学部へ入ってやろうというような気持ちが、私を後押ししてくれていたのだと今になって思います。けっして父のようになろうとしたわけではないのですが、父の目に見えぬ力に勇気づけられていたように感じます。

 実は長女が今年から後期研修医となり、私と同じ東京大学小児科に入局しました。年末に小児科の同窓会があり、新人紹介でその娘が「父に負けないような小児科医になりたい」と、受けを狙ってか、そう挨拶しました。こんなことを言う新人はいないので会場から笑いがこぼれましたが、正直なところ久しぶりに嬉しい気持ちになりました。私が大学に合格したときに大喜びした父の気持ちが分かったように思います。

相談室からの風景 ーファイル・13
「思春期 自分との対話」

 10歳頃、自分の身の回りの社会の仕組み、世界の仕組みを、科学とヒューマニズムに基づいて知り始めた子どもたちは、早ければ小学校高学年から中学にかけて、「思春期」と呼ばれる時期に突入していきます。中学2年生、14歳頃に、心の中で質的な変化が起こっていくことが多いと言われますが、非常に個人差、男女差が大きい時期です。

 まずは体の変化として、第2次性徴が起こります。身長の伸び、体つきの変化も急激ですので、否応なく、子どもたちは自分たちの「体」と向き合うことになります。また、左脳の39野40野と呼ばれる部分がこの時期にはじめて髄鞘化します。言葉、思考、音楽、空間など、高次脳機能をつかさどる部分で、学問、文学や芸術への感受性や人間性を深めていくことになります。

 学習も、中学進学ででいよいよ専門性も深まり、数学では「負(マイナス)」の世界、文字式の利用、不等式、関数、語学では、英語をはじめ古文、漢文での表現と、さまざまな文化や時代への世界が広がります。

 家族が心の基地であった時代は終わりを告げ、これまでなんでも話してくれていた子どもが、親には何も話さなくなり、親しい友達との関係が、親の都合より優先されるようになります。ホルモンのバランスの変化もありますし、急に些細なことで怒り出したり、泣きだしたりすることもあるでしょう。

 異性への興味が出るのも自然で、当然、自分の体や他者との関係にまつわる、人には言えない悩みをいっぱい抱えることになります。

 「もう子どもではない」「でも大人でもない」「友達は好き」「でも自分の気持ちは分かっ
てくれない」という矛盾の中で、一人ひとりが、内面的な世界における自分との対話をしていきます。日記や詩、ブログなどに表現されることもあるでしょう。

 この時期に大切なのは「社会的自立モデル」と呼ばれる、「あこがれの人」です。現代ではTVタレント、ヒーローやスポーツのスター選手などがモデルとされ、まずはグッズやファッションなど、外見から真似をされることが多くなります。「あの人のようになりたい」とは思うけど、いずれ、外見の真似だけではスターにはなれないことに気づきます。「やはりそれだけでない」、では自分なりに「何をすればよいのか」。ここに、本当の意味での自己コントロール、自己教育力が生まれます。

 「かけがえのない自分」を生み出すのは本当に難産で、決して一人では生まれません。他者や社会との繋がりの中で自分が「役に立つという手ごたえ」を求める活動の中でこそ、自らの価値に気付くことができるのです。

 「口先だけ」の態度や、世の中の悪や不正への敏感さ、矛盾への炎に、水をかけて消してしまうのではなく、より大きな「悪」や「不正」の仕組みを学び、連帯していくために、我々、大人がどのような背中を見せるのか。大人にとっても試練の時でもあります。

(小倉)

ヨコピーの『こども講座』
「胃腸炎と腸重積症」

 冬場になると感染性胃腸炎がよく流行します。これはロタ、ノロ、アデノなどといったウイルスが胃腸に感染して、嘔吐や下痢をひきおこす、俗に『おなかのかぜ』といわれる病気です。嘔吐のひどい場合は絶食して、吐いた直後はしばらく様子を見ます。吐き気が落ち着いてから水分をスプーンで一さじずつ飲ませてみましょう。水分が摂れるようになってからお粥、うどん、パンなど消化のよいものから与えてみます。下痢や嘔吐が強く、水分も取れない状態では、脱水症状がすすみ顔色が悪く、元気が無くなります。ぐったりしてきて尿の出も悪くなります。このように症状が強い場合は点滴を行うこともありますから、早めに受診してください。主に経口感染ですからこの時期は特に、よく手を洗うよう心掛けましょう。

 一方、腸重積症というのは、腸管の一部が肛門側の腸の中に入り込んで二重になり、狭いところに入った腸が血行障害を起こす病気です。腸の通りが塞がるので、強い腹痛を伴い、吐くこともあります。入り込んだ腸の部分の血流が途絶えてしまうため、腸粘膜から出血して血便が混じったイチゴジャム様の便が出ます。便が出る前でも浣腸すると確認できることがあります。顔色が悪くなったり、時々お腹をよじって痛がったり、泣いては泣き止んだりと10分~30分くらいの間隔で繰り返します。原因は不明ですが、腸のウイルス感染が関係するという指摘もあります。4ヶ月~2歳ぐらいに多いので、血便が出たときは便を持参し、大急ぎで受診して下さい。

お知らせ

1月になりました。診察等でお待たせすることが多くなってまいりましたが、何卒ご了承とご協力お願い致します。

MR,ワクチン2期、3期、4期の接種は済みましたか?
インフルエンザの予防接種が完了した方は、もう一度母子手帳をご確認下さい。年長さん、中学1年生、高校3年生のお子さんは接種対象年齢です。無料で接種 できるのは3月までです。お忘れなく!

編集後記

祝!2009年 新しい年が始まりました。元旦の計で思い出すのは、NPO「Room to read」のジョン・ウッド氏の言葉です。「話し合いより行動を」同感です。どんな目標でも、まずは勇気ある第一歩。壁もハードルも自ら作りだしているにすぎないことを忘れてはいけません。(自分に言い聞かせているのですよ・・泣)まずは大人がどう解決し達成するのか、子ども達が見ていることを忘れてはいけませんね。

Yokota Children's Clinic医)横田小児科医院

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